Runrun日記

最近読んだ本ー中国奥地紀行2

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今朝は遅起きとなり、散歩に行けなかった 
一日、高校駅伝を見ていた。世羅高校が男女とも優勝!!!



イザベラ・バード著 金坂清則訳 『中国奥地紀行2』 東洋文庫

イザベラさんの、中国奥地紀行の続きです。
四川省保寧府から成都府、鷓鴣山脈を越えて今の馬爾康市(アバ・チベット族チャン族自治州)の梭磨まで行った。帰りは、成都府から船旅で上海へ。
この時期のこの旅行は、かなりの危険・苦労が有ったようです。
19世紀末の英国婦人が見た中国。
漢民族の地域を越してチベットの山中まで行ったのだから、凄まじくもありますね。記述が細かすぎて、読み辛い所は例によって読み飛ばし。作者には申し訳ない(トホホ)
景色や寺院、中国人や辺境に住む蛮子の風習が細々と描かれていました。

イザベラさんは、旅行中幾度か襲われます。
この時期西洋人は余程嫌われていたのでしょう。洋鬼子(西洋の悪魔)とか「子食い」とか言われます。山間部の村人などは友好的に対応してくれますが、都市部へ行くと襲われて、ついには石をぶつけられ怪我をします。役人は差人と呼ばれる使い走りの官吏を同行させますが、それは、西欧人が襲われて殺されでもすれば、列強諸国に賠償金を取られ、下手すれば戦争になってしまうという恐れからでしょう。
役人たちは、イザベラさんがチベットの領域まで行く事を止めさせようとします。イザベラさんは、漢民族がチベット族を迫害している形跡があり、それを外国人に知られたくなかったと書いています。

鷓鴣峠では、吹雪に会い遭難しそうになります。鷓鴣山脈とはどんな所か全く知りませんが、3000mを超える山脈らしい。春の旅行だったのに吹雪に遭います。

チベット族の住居風俗風習なども面白い。イザベラさんは写真も沢山乗せていますが、白黒で解像度も悪く残念です! 今なら素晴らしいカラー写真が撮れるでしょうに。

従者や轎かき、荷物持ちなど10名ほどで旅行をしますが、中国人の同行者はほとんどアヘンを吸っていたらしい。中国にはアヘンが蔓延し社会に悪影響を及ぼしていると描いています。私は、中国にアヘンを持ち込んだのはイギリスだろうと思っていますが・・。

結論として、19世紀末の中国をまとめています。
日清戦争で中国が負けた事を、”「賄賂のきく政府をもつ公明正大な国民」が「公明正大な政府をもつ賄賂のきく国民」に難なくやられてしまった・・”と書いています。
中国の状態を、”現存する最古の帝国は望みの無い「病人」の状態に陥っている。それは、この国の手足を嚙り、五臓六腑を餌食にしようとしている貪欲な西洋諸国に不服を訴えるだけの望みの無い「病人」なのである。”と書き、病人なら衰弱するはずなのに、活力には陰りがなく、労働に対する報酬は確実にあるし、税金も賄賂が付きまとうが重くないと書いています。完全な信教の自由があるし、中国人は実生活の面では世界で最も自由な国の一つだと書いています。

その他、細々と19世紀末の中国を書いています。私には難しくて分りません。
ただ、現在の中国、香港などの状態をみると、中国は決して良い方向には向かわなかった。激動の20世紀を直前にした中国。興味深く読む事が出来ました。

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