Runrun日記

最近読んだ本ー迷走する帝国



塩野七生 著 「ローマ人の物語 32~34 迷走する帝国[上・中・下]」 新潮文庫

この巻では、紀元211年から284年までの73年間の事が描かれています。
この時代のローマは、『三世紀の危機』と特筆されているそうです。
三世紀の皇帝
在位皇帝在位期間死因
211-217年カラカラ6年謀殺
217-218年マクリヌス1年謀殺
218-222年ヘラガバルス4年謀殺
222-235年アレクサンデル・セヴェルス13年謀殺
235-238年マクシミヌス・トラクス3年謀殺
238年ゴルディアヌスⅠ半月自殺
ゴルディアヌスⅡ半月戦死
パピエヌス3ヶ月謀殺
パルピヌス3ヶ月謀殺
238-244年ゴルディアヌスⅢ6年謀殺
244-249年フィリップス・アラブス5年自殺
249-251年デキウス2年戦死・対蛮族
251-253年トレボニアヌス・ガルス2年謀殺
253-260年
253-268年
ヴァレリアヌス
ガリエヌス
7年
15年
捕囚ー獄死
謀殺
268-270年クラウディウス・ゴティクス2年病死
270-275年アウレリアヌス5年謀殺
275-276年タキトウス8カ月病死
276-282年プロブス6年謀殺
282-283年カルス1年事故死
282-283年
282-284年
ヌメリアヌス
カリヌス
1年
2年
謀殺
謀殺
右表でも判るように、”皇帝になる = 殺される”事だった?
皇帝の任期は終身なので、不信任の皇帝は殺して代替するしかなかった この73年間で皇帝は22人も入れ替わっている!

この時代もローマの外敵は、東のパルティア、北のゲルマン民族でした。パルティアは、ササン朝ペルシャに滅ぼされ、ペルシャは、紀元前3世紀のアレキサンドロスに侵入された以前の領土に、再復しようとします。ゲルマン民族は、いよいよ大侵入をしてきます。皇帝たちはその対処で翻弄されてしまいます。決して悪い皇帝ばかりではなかった。ほとんどの皇帝は、真面目に真剣に解決を計ろうとしますが、将兵たちの不況をかって殺されてしまいます。この繰り返し????

ゲルマン民族は、豊かなローマ帝国内に侵入してきますが、そこに定住しようとするのではなく、略奪して戦利品を北へ持ち帰るような行為をしていました。いたる所で防御線が打ち破られて侵入してきました。ローマ軍はそれを追い回しますが、もぐらたたきの様相になってしまった?

252年から253年にかけて、ゲルマン民族は大侵入してきます。陸からだけでなく、黒海からエーゲ海へと大侵入を許してしまいます。
260年、皇帝ヴァレリアヌスが、ペルシャの捕虜になってしまいます。
ローマ軍が、ペルシャ軍に負けたというよりも、ペルシャの謀略に掛かって捕らえられてしまったという事らしい?
ペルシャ側の記録では、ペルシャ軍はシリヤ、カッパドキアまで攻め入り略奪したと有る様だけど、本当の事は判らないらしい。

皇帝が、捕虜になってしまうと、帝国は大混乱に陥ります。一時は、西のガリア帝国、真ん中のローマ帝国、東のパルミラと三分してしまいます。

元老院は無能だったのですね。軍人皇帝たちが頑張りますが、足の引っ張り合いでうまくいきません。

ヴァレリアヌスに抜擢されて成長した人達が、ローマ帝国を再復することになります。
アウレリアヌスは、ローマに城壁を築きます。ドナウ河防衛線を確実にし、パルミラを滅ぼし、ガリアを再復します。次はペルシャへと軍を向けた所で些細な誤解で殺されます。プロブスも頑張りますが、不満分子が現れて殺されてしまいます。こうも殺しあっていてはうまくいくはずがない!

カルス皇帝の時にペルシャに攻め入ります。メソポタミア全土に攻め入り、あと少しといった所で、カルス皇帝は落雷にあって死んでしまいます。

この小説のお気に入り度:★★★☆☆

ランキングに参加中、クリックして応援願います。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

最近の「本と雑誌」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事