Runrun日記

最近読んだ本ー勝者の混迷(下)

塩野七生 著作 「ローマ人の物語 7 勝者の混迷(下)」 新潮文庫

紀元前90年から前63年までのローマの話。

紀元前90年「同盟者戦役」の後「ユリウス市民権法」が作られ、イタリアに住む全ての人がローマの市民権を持つようになった。イタリアの各都市国家の人達が選挙権を平等に持つようになると、国政は人口が圧倒的に多いローマ市以外の人達により決められてしまう事になる? ローマの旧市民達はこれに反発、争いが起こります。

守旧派と民衆派の戦い? 富める者と貧する者の戦い? 貴族と平民の戦い?

守旧派のスッラと民主派に味方したマリウス等との戦い。スッラは、一旦ミトリダテス戦役に出向いて国外追放とされますが、第一次ミトリダテス戦役後イタリアに戻って戦いに挑みます。ローマ正規軍とスッラ軍との戦争(前83年から82年)、スッラが勝利し、スッラは独裁官となります。
ローマの民主化は、一歩進んで二歩下がる???


ローマ国内で内戦が発生すると、今がチャンスとばかりに戦いを挑んでくる外敵が現れます。
小アジアのポントスの王ミトリダテスは、ローマの属州を攻めてミトリダテス戦役が始まります。
スペインでは、スッラに敗れて逃れたセルトリウスが、反乱を起こします。セルトリウス戦役(前80年~72年)
国内では、奴隷たちが反乱を起こします。剣闘士スパルタクスの乱(前73年~71年)
地中海では、海賊たちが暴れます。

市民集会や平民集会が有って選挙で役人たちを決める時代で、一見、民主的な政治が行われていたようにも見えますが、そうじゃない、寡頭政治なのですよね。市民とされるのは成人男子のみ。貴族・金持ち優遇。多くの人達が奴隷として虐げられていた? この小説を読んでいても、どんな社会だったか想像できません!!!

ポンペイウスが登場します。
スペインで、セルトリウス戦役を平定します。前67年、地中海を荒らしていた海賊を一掃すると、ポントス王ミトリダテスの討伐にあたります。第三次ミトリダテス戦役(前66年~63年)です。ミトリダテスは自死し、地中海をめぐる全域がローマの覇権の下に治まります。

大きく成り過ぎたローマ。共和政(寡頭政治)では、行き詰まりが生じるのでしょうか。
次は、ポンペイウスや、ユリウス・カエサルの時代になって、帝政の時代を開いて行くことになるのでしょうか。

この小説のお気に入り度:★★★☆☆

ランキングに参加中、クリックして応援願います。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

最近の「本と雑誌」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事