Runrun日記

最近読んだ本ー蝦夷地別件



文庫本で、上巻・中巻まで読んだが、下巻が手に入らなかった。図書館で借りているのだけれど、下巻は誰かが借りっぱなしで返さない? 借りた本は大事に扱い、期限を守って返して欲しい 文庫本の方が、手に合って読みやすいのだけれど、しかたなく大きな本を借りて読んだ。

船戸与一 著作 「蝦夷地別件 上/下」 (新潮ミステリー倶楽部)

1789年のクナシリ・メナシの戦い。この小説では、悲劇的な結末にしてしまった。蝦夷の反乱が鎮圧されるのは、仕方ないとしても、登場人物全員が、悲劇的に終わってしまった。船戸さ~ん、なんとか出来なかったの!

18~19世紀は、西欧の列強が覇権主義で東アジアに手を伸ばしてきた時代。北海道でも蝦夷地を挟んでロシアとの領有権争いが顕著になってきていた。優れた文明・力を持ったものが、そうでないものに対する時、どのような対応となるのだろうか。
松前藩を取りつぶし、蝦夷地を直轄地にしたい幕府。縄文時代の文化しか持たないアイヌ達は、和人に不当な条件の交易を押し付けられ迫害されていた。そして、アイヌの蜂起!
これは小説で、創作の世界だけれど、実際にこのような歴史はあった。

この小説では、登場人物の構成が面白い。
ポーランドの救国貴族ーマホウスキ。300丁の鉄砲をアイヌに渡そうとするがなしえない。
国後の脇長人ーツキノエ。300丁の鉄砲を得て、和人に対する反乱を起こそうとするがなしえない。これが戦いの発端!
幕府御家人の息子:葛西政信ーアイヌを煽り反乱を起こさせ、それにより松前藩を取りつぶす口実を得ようと画策する。
松前藩番頭:新井田孫三郎ー松前藩を守るため働く。反乱の鎮撫軍の大将となる。
天台宗の僧:清澄-この物語の語りべのような役どころ?
臨済宗の僧:洗元ーこの物語でただ一人の善人?

最後に、ツキノエの孫、ハルナフリが復讐してまわる。
船戸さ~ん、なんでこんな悲惨な結末にしてしまうの?
そして、このようなことは世界の各地で有り、その諍いは今も続いていると思うと、悲しい。

この小説のお気に入り度:★★★★☆
すごく面白い小説だけど、最後の結末が減点・・・

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