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塩野七生 著 「ローマ人の物語 29~31 終りの始まり[上・中・下]」 新潮文庫
マルクス・アウレリウスは、五賢帝と呼ばれた皇帝の最後の人です。
ローマ帝国の最盛期もここまでだったのでしょうか。この先は少しずつ衰退の道をたどって行く。
皇帝名 | 在 位 期 間 | 死 |
マルクス・アウレリウス | 紀元161年~180年 | 病死 59歳 |
コモドウス | 紀元180年~192年 | 暗殺 31歳 |
セプティミウス | 紀元193年~211年 | 病死 75歳 |
ローマ帝国内は安定した平和な時代が続いていましたが、マルクス・アウレリウスの時代になると、急に問題が続出します。
スカンジナビアやロシアに住む人達は、より温暖で生活しやすい南の国へ移動しようとしていました。その勢力に圧迫されたライン・ドナウ河以北以東のゲルマン民族はローマ帝国内に流れ込んできたのです。紀元170年、ローマはライン・ドナウ河の防衛線を各地で破られてしまいました。
現在のシリアの人達が、ヨーロッパ各地へ難民として流れていくのと、似ていますよね!
ローマの東の防御は、パルティアが支えていましたが、パルティアが弱体化すると東の新勢力・ササン朝ペルシャが直接ローマに襲い掛かってくるようになる? ここらの歴史にも興味があるけど、この時代、パルティア弱体化にローマが手を貸してしまったらしい。
マルクス・アウレリウス治世の後半は、ゲルマン民族との戦いで翻弄されてしまいます。そして戦地で病気となって死んでしまいました。それまでの5帝は、男子の実子が無かった事もあって、能力のある人を養子として迎え後継としていましたが、マルクス・アウレリウスは世襲により、能力の無い実子コモドウスを後継としてしまった!!!
コモドウスは、政治に興味がなく、統治者としてなすべきことを、何一つしませんでした。統治者が何もしなくても、永い間の盤石な統治でそう簡単には帝国内の平和・繁栄は崩れませんが・・。汚職のはびこる側近政治になってしまって、何度も暗殺計画が発覚し恐怖政治をします。家族関係も悪かったらしく、最後は愛妾たちによって殺されてしまいます。
コモドウスの後継は、各地の軍団が、自分達の将を皇帝へと推しました。そして内乱となってしまいました。
セプティミウス・セヴェルスが勝ち抜いて皇帝となりました。しばらくは安定した政治をしたようですが、これまたブルタニアでの戦地で病死、世襲により次期皇帝を決めます。引き継いだカラカラ帝は、また暴君だったらしい!!
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