Runrun日記

あいぬ物語

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 今朝の散歩道。なかなか涼しくなりません。
 公園には、小学生達が昆虫採集用の網を持って来ていました。先生が引率していましたが、元気な子供がぶつかって来ないかと、怖い!!
 それでも二キロ余り気持ちよく歩けました。

山辺安之助 著 金田一京助 編『あいぬ物語』 青土社

 先に読んだ川越宗一さんの小説『熱源』の主要登場人物、山辺安之助氏は、南極探検後に金田一京助氏を訪ね、自分の自叙伝を口述しました。金田一氏がそれをまとめたのがこの本だそうです。明治時代の難しい言語・漢字が用いられていて、その横にアイヌ語のルビが書かれている。その筋の人が読めば貴重な資料なのだ! 昭和生まれの学のない私には、読めない文字ばかりで読み飛ばしですね。(悲しい)

 樺太アイヌの山辺安之助(1867年-1923年)の1912年(明治45年)までの物語です。
 1875年千島樺太交換条約で、明治政府が樺太を放棄した時、宗谷に移住しますが翌年、対雁村(現江別市)へ強制移住させられます。対雁での少年・青年時代。『熱源』にも書かれていますが、あれは小説だからね。山辺氏も端折って口述したような気がしますし。1886年コレラや疱瘡が流行し対雁の多くのアイヌの人たちが亡くなってしまいます。1893年、山辺は家族たち数人でロシア領サハリン富内村へ帰郷します。そこで漁業を改革し村のリーダー格となっていったようですね。1905年日露戦争が始まると、山辺は日本軍の水先案内人を務めます。終戦後は、アイヌたちの地位確保のためには、子供たちの教育が必要だと考え、小学校の設立に努力します。1910年樺太犬を引き連れ南極探検に参加。

 アイヌ!土人!などと言われ、差別、蔑まれるアイヌの人達の、日本の皇民として生きるすべを考えた人なのですね。
 『熱源』に書かれていて、やはりアイヌのための小学校設立に尽力した、千徳太郎治やプロニスワフ・ピヨトル・ビウスツキの事は何も書かれていませんでした。

 今後読んでみたい本:千徳太郎治著「樺太アイヌ叢話」、安部洋子著「オホーツクの祈り」。どちらも、市の図書館にはなさそうです。(トホホ)

この本のお気に入り度:★★★★★

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