Runrun日記

最近読んだ本ー恋歌



最近は、直木賞受賞作を選んで読んでいます。
2013年下期の受賞作!!!


朝井まかて 著作 「恋歌(れんか)」 講談社

明治36年。師・中島歌子の病のお見舞いに出向いた三宅花圃が、歌子の家の整理を頼まれ、そこで歌子の手記を読むといった設定になっている。
花圃と一緒に整理する人は、歌子の元女中の澄。

中島歌子や三宅花圃の事は、私は知らんかった!
二人とも明治の著名な歌人で、歌子は、樋口一葉の師でもあったらしい。

手記には、歌子の若かりし頃の事が書かれていた。

年表を括ってみると、
万延元年(1860)3月、桜田門外の変。
元治元年(1864)3月、天狗党の乱。藤田小四郎ら、筑波山で挙兵
元治元年(1864)12月、天狗党、加賀藩に降伏
慶応元年(1865)2月、天狗党、処刑される
とある。

水戸藩御用の宿屋、池田屋の娘・登世が恋した相手は、水戸藩士・天狗党の林忠左衛門以徳だった。
登世は、反対する母を説き伏せて、水戸に嫁いでいく。

水戸藩では、保守系の諸生派と急進的な尊王攘夷を唱える天狗党の派閥に分かれ諍いを起こしていた。
登世は、「天狗党の乱」に巻き込まれていく。

夫・以徳の妹てつは、乱の首謀者となる藤田小四郎の恋人。
乱は、保守派の諸生党に敗れ、天狗党の家族は捕らえれて投獄され、多くの妻、子供達は殺されてしまう。

読み処は
登世の林以徳に対する切実な恋!
尊王攘夷に燃える天狗党の話!
投獄された天狗党の家族の哀れ!

数か月後に、てつと登世は釈放される。

そこから、話は明治に飛んで・・・

登世は、歌の師匠・中島歌子になっていた。
幕末の動乱の中、天狗党の名誉は回復され、諸生派の人々は逆に弾圧され、妻子供まで殺されていた。

歌子は、諸生派の執政だった市川三左衛門の娘・登世の事を知る。
市川登世は、諸生派粛清の弾圧から逃れていた。
天狗党への恨みを持って、歌子の女中(澄)となっていた!!!

この本の読み処は、
幕末の諍いに巻き込まれた、女たちの虚しさ、哀れ、そして和解!

最初は、ただの恋物語なのかと思った。
朝井まかてさんの文章は、いかにも女性らしくって好もしい。
「天狗党の乱」の事は知らなかった。
男の都合で乱が起こされ、それについていくしかなかった女性たちの恋や愛が描かれていた。


この小説のお気に入り度:★★★★☆

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