昨日、テレビでプロジェクトXがやっていてオウム真理教のサリン事件の真相を解明した研究者が題材になっていました。
あまり興味がなかったのですがたまたま他に良い番組がなかったので見続けました。
服藤恵三さん、科捜研の研究員ですが当時は警視庁の縦割りの習性に嫌気がさしていました。
どんなに優秀でも現場の自白ありきの環境の中で科捜研の立場は下だったわけです。社会の役に立ちたい。でもその能力を生かせない。
そんな中での地下鉄サリン事件。前代未聞の毒物事件に対して科捜研は大きな役割をはたすことになります。
オウム真理教の犯行だとしてもそれを裏付ける証拠がない。サリンを生成した証拠が。
サティアンの捜査に科捜研の研究員は同行してその証拠をつかもうと健闘します。
そしてとうとうサリン生成の時にでる化学物質を採取することに成功するのです。
もっとも印象深かったのはオウム側の研究者の自白を促す場面。
どんなに取り調べしてもいっこうに話そうとしない容疑者が服藤さんは二人だけで対面を望みました。そしてかたくなに口をつぐむ容疑者にただ紙にサリンをこうして生成しただろうという研究式を何時間も書いてみせました。最後に世界のどの論文にもなかった不思議な研究式を彼らが書いたノートの中から見つけてそれを容疑者に見せた場面。これではないのか。
研究者同士にしかわからない領域。
それ以降、様子があきらかにかわってやがて自白するようになる。
服藤さんはもし彼が違う存在にであっていたら世の中のために活躍できたかもしれなかったはずと空しい思いになったと述べていました。
何か本当の極悪人でない存在がマインドコントロールによって道を違えてしまう悲しさを感じました。
そして善も悪もある意味紙一重の怖ろしさも。
世の中には本当はをとおりこした矛盾がいくらでもあります。それと真正面から向き合えば皆傷つくので逃げてしまうのです。
科学の世界には多分、矛盾が存在しません。それがすごく力のあることに感じました。