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ヘイリー

2008-07-14 | ■芸術(音楽、美術、映画、演劇)
  
  久しぶりに何も予定のない土曜日が訪れたので、出来るだけ意味のないことをして過ごそうと思い、SHM-CDと普通のCDの聞き比べ大会をひとりで開催した。
 
  SHM-CDのことは2007年12月10日のブログに書いたので詳しいことは省略する。CDのマテリアル(素材)であるポリカーボネートの透明度を高めたことでレーザーピックアップの情報読み取り量が増えて再生音が飛躍的に向上したというもの。

  この成果は圧倒的なもので、カラヤンの指揮によるワグナー「ニーベルングの指環」、マーラー「交響曲選集」などを立て続けに買い込んだ。実際、ワグナーやマーラーといった大作をSHM-CDで聞くと、今まで何を聞いていたのだろう?と首をかしげてしまうほど、音質は飛躍的に改善されている。

  というわけで、土曜日の昼下がり、ワグナーとマーラー、そしてコルトレーン、ドルフィーなどをゲストとして密かに我が部屋で開催した聞き比べ大会はとても充実したものになった。そして本日月曜日、HMVで「純~21歳の出会い / ヘイリー」というSHM-CDに出会った。
  
  現在リリースされているSHM-CDのほとんどは旧アルバムの再発売、新譜の段階でSHM-CD仕様のものに出会ったのはこれが初めてである。すべてのSHM-CDがそうであるように、このアルバムも初回限定盤。迷わず買い込み、今それを聞いている。
 
  ヘイリーという人が何者なのか?このアルバムが何なのか?相変わらず何も知らないまま聞き始めた。そういえば本田美奈子が亡くなったあと、残された録音物にオーバーダビングするかたちで「アメイジング・グレイス」を録音したという話は以前テレビで見たことがあった。そのひとがヘイリーだったのだ。

  このアルバムには「アメイジング・グレイス」のほかに、日本の歌の名曲中の名曲が収録されている。オーダーは以下のとおり。
  1.アメイジング・グレイス
  2.ハナミズキ
  3.雪の華
  4.白い色は恋人の色
  5.千の風になって
  6.花
  7.涙そうそう
  8.翼をください
  9.卒業写真
  10.時代
  11.I believe
  12.白い色は恋人の色(SHM-CDのみのボーナストラック)

  ヘイリーの声は普通に美しい。マイク乗りがよく、透明度が高いので多くのひとに好まれる声質だと思う。変なクセや節回しがないので、心地よく聞き続けられる。まさしく、SHM-CDの醍醐味ともいえる透明な再生音とあいまって最大の効果を発揮するはずだ。

  しかし、それは充分な効果を発揮しなかった。許せないのはそれぞれの曲のアレンジ=編曲である。ライナーノートによると、編曲者は以下のひとびと。John Langley, Hayley Westenra, Steve Abbott, Ian Tilley.

  私はこの中のひとりも知らない。彼らが書いたスコアは、大昔の8トラックのカラオケ並みである。これは勘ぐりだが、編曲者は外国人を装う日本人ではないか?それほど、日本の安物アレンジをそっくりそのまま盗用したようなチープさで、音楽的な創意もなにもない。ヘイリーの声が純粋であればあるほどバックの無能アレンジが際立って聞こえて、それはヘイリーそのものを蹂躙しているようにさえ聞こえてくるのだ。普段、どうにもならない悪声の男によって聞かされ続けていた「千の風になって」だけは新鮮だったが…。

  SHM-CDだからといって、何を買ってもよいというものではないことが分かった。ヘイリーに比べて、同時に購入したNatasha Marsh(ナターシャ・マーシュ) は期待がもてる。次回ブログご期待ください。



  

  
  
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