昨日、「第35回 ふくやま文学選奨」の受賞者の表彰式があった。
昨秋、短編小説を1本執筆し、年末に応募していたのだが、
先月、受賞の知らせがハガキで届き、今回、ついに最優秀賞を
受賞することができた。
今回応募した作品は「さんらいず通りの爺(じい)」という、
400字詰め原稿用紙で28枚程度の枚数で、ストーリーは、40歳
前後、いわゆるアラフォー世代の夫婦の物語。
一昨年、某文学賞に応募したのだが、見事に落選し、あらためて
改稿・補正をして書きなおした。
同賞には一昨年に応募した作品が佳作を受賞し、昨年も応募したところ、
またまた佳作を受賞。
オリンピックでいえば銅メダルなわけで、どうしても金メダル、つまり
最優秀賞が獲れなかった。
僕も男である。
ここまで来たら、逃げるわけにはいかない。
人間とは一度登りはじめると、なかなか降りれなくなる生き物で、
「どーーーして獲れないんだ!?絶対に獲ってやるっ!!」
と、もう今回はほとんど意地の塊になって執筆して応募した。
会場に到着し、授賞式開催直後、まずは東日本大震災の犠牲者の方々の
ために、1分間の黙祷。
その後、授賞式に移った。
賞状を授与されたのは、小学校の頃のマラソン大会や写生大会の
賞状とかも含めれば、もう数えきれないが、やっぱり何歳になっても
嬉しい。
やっぱり人間にとって、自身の存在を肯定されることが、最も大きな
喜びなのかもしれない。
授賞式後、取材に来ていた新聞社の記者の取材を受け、
その後、選者で作家の中山芽集子先生とお話する時間があった。
先生は、一昨年、昨年と僕が佳作を受賞した作品をよく憶えて
いてくださっていて、それらの作品と比べて「今回の作品は、
あらすじに少し粗っぽさもあったが、ラストに救われた。本当に
よく出来ていた」と評してくださった。
プロの先生から直接、目の前でお話をさせていただけたことは
本当に幸運だった。
先生は、会話の最後に「りきるさんがこれで卒業してくれるから、
私も選者を卒業させてもらうわ」と笑いながらおっしゃった。
「ふくやま文学選奨」は、失礼ながら広島県内の小さなコンクールだ。
それでも3年かけて、やっと、てっぺんを獲った。
しかし、同じところをいつまでも行ったり来たりすることはできない。
さぁ、僕も次の扉へ進もう。