5:00前 いつものように
ベッドの横の寝床で目が覚めた。
そこに妻は居なかった。
シーツの上に、枕と
たたまれた毛布があった。
ショートステイもしたことがなかったので
介護をしてから初めての一人だった。
不安だったろう、眠れただろうかと案じた。
しかし、1週間と期間が決っているのと、
娘と孫も泊まったので
深く沈むこともなかった。
☆ 昨日、胃瘻手術のため入院した。
9:30 診療所から介護タクシーが
ヘルパーさんとともに来てくれた。
入院セットを利用するので
タオルケット1枚だけ用意した。
20分ほどで到着。
5階建ての古い病院。
受付で診療所の紹介状と保険証を出すと、
すぐCTとレントゲン検査。
次は処置室で採血。
血管が、見えない、細い、薄いの
看護婦さん泣かせ。
採血が出来ない。
針は刺さっているが、血が出てこない。
看護師さんが二人、三人と集まって
悪戦苦闘。
どうにか必要量が採れたらしい。
家での食事内容を訊かれたので
すり鉢とかミキサーとかトロミ剤などを説明すると、
調理担当部署へ電話して
「○○さん、ミキサー食」 と伝える。
看護師さんは皆、元気で声が大きい。
妻は二階の病室へ連れて行かれた。
私は、外来の診察室で医師から説明を受ける。
写真や図も見せられ、
危険性があることも含めて説明される。
私も妻の食事内容を説明する。
医師は、栄養が不足しているかもしれないという。
後で、手術同意書に署名したが、
どうして医師というのは
達筆というか判読不能な字を書くのだろうか。
普段、診察しながら書くので
どうしても速記ふうになるのは仕方が無いのか。
あるいはドイツ語がほとんどなので(たぶん)
日本語はまどろっこしいのかもしれない。
☆ 病室は奥の個室だった。
たまたま空いていたからで、
また変わるかもしれないという。
足の付け根の動脈に栄養剤を点滴されていた。
タクシーで一旦家に戻り、
朝の残りの蕎麦をかき込こんで
長女と3歳の孫を迎えに駅まで行く。
学校がある二人の孫とダンナは明日来るという。
面会の規制は緩かったので孫も大丈夫だった。
妻は目を開けていたが、
体位を壁向きにされていたので
表情はよく分からなかった。
娘が声を掛けるが反応はない。
孫が、
「○○ちゃん(娘や孫達が妻を呼ぶ時の愛称)かわいそう」
という。
10分ほどして、三人それぞれ、
「また明日来るからね」と
声を掛けて部屋を出る。
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