妻は胃ろう  手抜かり 老老介護

2007年、56歳の時アルツハイマー病と診断される。
2018年1月、胃瘻造設手術。

妻の症状(預金証書とお札を破る)

2014-05-14 01:40:55 | 妻の症状
 56歳の秋、妻を初めて病院に連れて行き、診察の結果アルツハイマー型認知症と診断された。

 この年の春頃から、自分で財布を箪笥に隠し、どこに隠したか忘れて大騒ぎする、

 というアルツハイマーの常道を妻も歩んだ。


 私はある程度、情報としてそういうことを知っていたので、

 来るべきものが来たかと冷静に対応できた。 

 一緒に箪笥を探し、財布を見つけて「ここにあったよ」と妻に渡すと安心した顔を見せた。


 しかし、想定外の事態が起きるとやはり驚き、うろたえた。

 妻名義の郵便局の定期預金証書を破ったのだ。

 幸い、二つに破いただけだったので、被害は軽かった。

 それでも重要な証書なので、心配だった。


 郵便局に二人で行き、破れた証書を見せ、解約を申し出た。

 すると、鋭い追及を受けることもなく現金を渡してくれた。

 内心ほっとしたことを覚えている。



 また、その頃、妻は「自分にはお金が無い」と言って泣くことがあったので5万円を手渡した。

 すると、お金を見て安心したような顔をした。

 しかし、それもすぐ行方不明になってしまった。

 箪笥を探しても見つからなかった。

 まあ、家の中のどこかにあるのは間違いないから、そのうち出てくるだろうと、

 あまり本気で探さなかった。


 1か月位経った頃、誰も使っていない2階の子供部屋を掃除した。

 ベッドの下に掃除機を伸ばすと何やら紙を吸いこむ音がした。

 何だろうと紙片を手に取って見ると、ばらばらに裂かれた1万円札だった。

 ああ、妻がやったな、と思った。


 掃除機の吸塵パックをはずし、ちぎられた紙幣を集めた。

 吸い込まれなかった分と合わせてジグゾーパズルを完成させるように1万円札を復元させた。

 10片くらいに破かれていた。 


 同じ部屋の別なところには破かれた千円札が2枚分あった。

 こっちはさらに細かく破かれていて、パズルの完成作業は面倒だった。

 1枚はどうしても、ピースが足りなくて90%の復元率だった。


 銀行の窓口で、「孫がいたずらして……」 と、

 クリアファイルに挟んだ1万2千円を差し出した。


 すると、にせ札の鑑定に1か月ほどかかります、本物であれば通帳に振り込みます、とのことだった。

 そして、1か月余経って入金されていた。


 なぜ妻がお札を破いたかは分からない。 

 










 



 
















 


 
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