介護日誌を処分する

 

　妻が発症してから数年間、妻の様子を日誌につけていた。

ノート10冊ほどのその介護日誌を処分することに決めた。

　パラパラとめくって見ると、妻が話した内容や、徘徊して近所の庭に

迷い込んだことやトイレの失敗などが書かれていた。

　やがて、言葉を失い、車椅子を使うようになり、胃ろうを設置してからは

介護も落ち着いてきたので日誌を書かなくなった。

　

　俺が処分に困っているのだから子供達はもっと困るだろう。

そう思って今回決断した。

　紐で結わえて資源ゴミに出すことにした。

 

　それとは別に、俺の5年日記も5冊になった。

　こちらも早く処分しなければならない。

 

　

無事、乗り越えられた

 

　花壇の雪が消えて最初に出てくるのがクロッカスで、それが終わって

黄水仙が一斉に咲き始めた。

今はムスカリがあちこちから出始めている。

　これからチューリップやオダマキ、カタクリも咲いてくる。

　明るい花々を見ると、この冬も無事乗り越えることが出来たか、と

ほっとした気持ちになる。

　

　二人にとって暖かくなったからといって安心できる訳では無いが

気分だけでも明るくなる。

 

　まだまだやらなければならないことが沢山ある。