理学療法士さん(以下「リハビリさん」)による新年最初のリハビリがあった。
妻にお茶を投与中だったが中断して施術が始まった。
以前は身体をほぐされて気持ちが良くなると途中から眠ってしまうことが
多かったが、最近は施術中に痰がらみが起こることが多い。
その時は俺が呼ばれて吸引する。
妻が車椅子に乗れなくなって数ヶ月が経つ。
CT検査、婦人科診察、胃瘻交換等で病院に行く時は介護タクシーを利用する。
俺と同年齢くらいの運転手さんが一人で来る。
俺がベッドに上がり、尿漏れ防止用に敷いてある防水シートごと
運転手さんと二人で声を合わせて妻を持ち上げ、ストレッチャーに移す。
なかなかの重労働だ。
ストレッチャーは大抵1社1台しか保有していないのと、資格を持った運転手さん
も少ないようで、予約を申し込んでもすぐは確保できないらしい。
(予約の申し込みはケアマネさんにお願いしている。)
デイに行くことが出来ないので俺の行動も制約を受けている。
リハビリさんに、新年の目標として妻が車椅子に乗れるようになってほしいと
伝えると、すぐに案を出してくれた。
まず、ベッドのギャッジアップで徐々に身体を起こすことに慣らしていき、
次にベッドの端に腰掛けるようにし、それから車椅子に乗れるようにする、
という納得のプランだった。
しかし、妻には卵巣肥大という病気がある。
手術が出来ないほどの大きさになっているという。
それが車椅子に座る姿勢にどのような影響があるか分らない。
痛みが出るかもしれない。
無理をせず、諦めず、ヤケを起こさず、辛抱強く、そして、
ゆっくりゆっくり取り組んでいくしかない。