・ 週1回、理学療法士のFさんがリハビリに来てくれている。
Fさんのお母さんは施設に入所しているが、口からの摂取が難しくなってきたので
胃瘻を決心し、先週その手術が行われたという。
お母さんは妻と同じくらいの年齢と思われる。
Fさんは職業柄、胃瘻については充分知識もあり現物も見てきているのに、
俺は先輩ぶって妻の胃瘻を見せて、あれこれ苦労話をしてしまった。
・ リハビリの翌日は訪問診療の日。
半年毎の胃瘻交換の時期が近づいたので、その旨を先生に伝える。
今回も、オリンパス社製がいいとか、日帰りでお願いしたいとか、
出来れば木曜日がいいとか診療所の介護タクシーを使えるかとか、
日赤では出来ないのかとか、我ながら注文が多い。
・ 先生との雑談の中で、今まで胃瘻を使っていた男性患者が、
胃瘻を必要としないほどに回復したので、胃瘻を撤去したという。
妻にもそういうことを期待したが、叶わぬ夢に終わりそうだ。
☆ スタイルアサヒ8月号 「診療所の窓辺から」 より
(四万十市 在宅医療 小笠原 望 医師のエッセイ)
・ 「どこもここも痛い。 こんなことがこれからもずっと続くのでしょうか」
「ぼくも八十歳をしたことがないから絶対とは言えませんが、八十歳の人が
みんな痛いとは聞きません。きっとそのうち、なんとかまあまあに折り合うと
思いますよ」
・ 「今にして親の気持ちがわかります。あの頃わかってあげたらよかったのに」
「その年になって、その立場になってみないとわからないことって、
いっぱいあるのでしょうね。」
1年ぶりに市営墓園に行き墓掃除をしてきた。
雑草というにはもったいないような黄色い小さな花が一面に咲いていて
お花畑のようにきれいだった。
草は抜かずに、墓石だけ拭いて、手を合わせて家族の近況を報告した。
それから車で自由墓地の区画に移動し、汗だくになって俺の墓地の草を抜いた。
大分周囲に墓石が建っていた。
俺の最後の仕事だと思っているが、なかなか踏ん切りがつかない。
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