GO! GO! 嵐山 2

埼玉県比企郡嵐山町の記録アーカイブ

俳句手帖から新詠を拾って 大野浩 1950年5月

2009年05月01日 | 文芸

   俳句手帖から新詠を拾って 大野比呂志生

     長瀞にて詠む

   雪洞(ぼんぼり)や万朶(まんだ)の花に風情添え

   松籟(らい)のどっと起りて落花急ふ

   青川綿(あおみどろ)鳴かぬ蛙がふけうかぶ

   春宵を寝て読むくせの何時かあり

   飛鳥(つばめ)来る日なり郷愁ひたに湧(わ)く

   野火跡のいささか黒くしどみ咲く

   焼糠(ぬか)の煙り戸毎に桑(くわ)若葉

   春蝉の鳴きたゆたひる山颪

   麦笛の鳴(な)らねば捨てて亦ねだる

   畑も打ち句も詠み郷に住み古りぬ

     『菅谷村報道』2号 1950年(昭和25)5月20日



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