・桜の花を訪ねて1 花は愛惜に散る
春はさくらの季節である。花を求めて町内を歩いてみた。
すでに昭和四十年(1965)と四十一年(1966)の二年にわたり、嵐山町のさくらを訪ねて歩き「花だより」として本紙に掲載した。十五年後の今日、再び訪ねてみるとうたた時勢の転変を感ぜざるを得ない。歴史とはかくの如きものか。また人の世とかくも移ろいやすきものか。花は愛惜に散るものを。
さくらの花散りぢりにしも
別れゆく 遠きひとりと
君もなりなむ 釈迢空
『嵐山町報道』298号 1981年(昭和56)6月1日