五月七日 日曜 曇
がらすうけを下女にすがやに行ったついでに買って来てもらいました。僕はたいさうよろこんで、すぐおきましたが、いくひきもはいりませんでした。
五月八日 月曜 晴
もりちゃんとがらすうけをおいてついていましたら、まさやんが馬をあらいにきました。そしてかへるころあげましたが、もりちゃんのは一ぴきしかはいりませんでしたが、僕のはたくさんはいって居ました。
五月九日 火曜 曇
がらすうけをもりちゃんとおきに行っておきましたが、よいふうにおこうと思ってあげますと、がらすうけはしつとけてしまったのですぐはいって足でみつけてとりました。
五月十日 水曜 晴
さはぎっこをしえつくいにぶつかって、なくやうにいたかったです。
五月十一日 木曜 晴曇
僕はマサヲさんとさわぎっこをして、おってくると僕がわざところがりますとマサヲさんもころがります。僕はたいさうおもしろかったです。
五月十二日 金曜 曇
くわを二度かついで来ました。
五月十三日 土曜 晴
よぼりにゆこうと思って居ましたが、よその人が来て、おとうさんとゆくことができませんのでなきなきねてしまいました。
五月十四日 日曜 曇
おばあさんが小川でやひ*をやいた。おみやげに僕にははりやすを二本下さいました。
*:おきゅう。
五月十五日 月曜 曇
学校でえんぷつをかへました。
五月十六日 火曜 曇
おかあさんに買って来ていただいた、たいせつにもってゐたたから舟と、鳥かごと、たけのことすずと、なんのかのみがついてあるものをこしにつけて行きました。
五月十七日 水曜 晴
さかなつりに行って三ぴきしかつりませんでした。
五月十八日 木曜 晴
今日見たいっしゃは「なほる。」といったので、家では大よろこびです。*
僕の方がたいそうの時間にけんびきふ【顕微鏡】を二だい見ました。先生はぼうえんけふ【望遠鏡】で見ました。
くわもぎの手つだいをしました。
*:「大正11年日記 2」の5月17日には、「うまがけがをしたのでけだものをみるおいしゃあさまにみてもらいました。すると「ふんとうのことはわからない。」とおっしゃいました。」とある。
五月十九日 金曜 晴
今日池でかあちゃんに、さかなをつってもらいました。友ちゃんが、かへどりをするのを見て居ました。ぎうたの大きいのを取りました。
五月二十日 土曜 晴
よみかたの時間にさんじゅつのしけんがありました。
五月二十一日 日曜 晴
今日池でもりちゃんに、ぎんぶを四ひきつってもらいました。
五月二十二日 月曜 晴
鳥がねずみをとってたべました。めづらしかった。
今日やくばでほうそう【疱瘡】を見せました。僕のことを「つかない。」とおっしゃいました。
※この3は5月6日から5月22日の日記であるが、「大正11年日記 2」は4月16日から5月26日の日記なので重なっている日がある。2は青インクで○がついている日があるので、誰かに見せているようだ。1と3にはそのような○はついていない。