最優先の作業は飲料水の確保です。
地震災害では、地下埋設されている水道管が破壊される危険性がきわめて高くなります。
被災直後は配管に残っている水が出ることがありますが、それもわずかの間にすぎません。
通常、高層住宅ではいったん地下の貯水槽に水を溜めてから、それをポンプで屋上に運び上げて各階に供給しています。
専用の貯水槽をもっている集合住宅なら水の心配は少ないかというと、必ずしもそうはいかないのです。
水道がやられるほどの振動に襲われた時にはポンプを動かしている電気もストップしてしまっているからです。
東日本大震災でも広範囲にわたって断水し、水の確保に苦労している様子に愕然としたばかりです。
水道管が破裂し、地割れした部分から、滲みだしてくる水を救っている人々の姿は、胸がつまると同時に忘れられない光景として記憶に焼付いています。
蛇口をひねれば水が出るという便利さは、決して当たり前のことではないのです。
明日は、自分が水探しに奔走し、ナベを柄杓代わりに水を地面からすくっているかもしれないのです。
「水道から洩れた水だからきれいだ」などといって、自らをなだめながら。
けれど、気休めやごまかしでは水はきれいにはなりません。もっと積極的に、水の安全性を確保する手段を考えましょう。
細かな浮遊物はコーヒーをいれるときのフィルターで漉せます。
臭いがするような水だったら、冷蔵庫で使う活性炭入り脱臭剤に一度通します。
しかし、これだけでは水に溶け込んでしまっている有害物質を除去できない心配が残ります。そこで、海外旅行などに持っていける携帯用の浄水器があれば、コップ一杯程度ならすぐに飲める水が得られます。
ペンシルストロー型になっているアキューフィルターは、内部に殺菌用シルバーニトレートと活性炭、高密度フィルターが組み合わされています。
水に溶け込んでいる有害な化学薬品や塩素、雑菌、重金属、有機性の物質まで取り除いてくれるのです。これ1本で約110リットルの水を処理できるのですが、口で吸い上げなくてはならないので結構、力がいります。
原理的には同様の浄化システムで、自転車の空気ポンプのように手で作業できるタイプもあります。
こうしたフィルター類を日ごろから用意していれば、池や河、あるいは風呂の残り水さえ飲用可能にできます。
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