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ラクッコピコりんの紙芝居

毎日人形を作ってます。日々の製作や活動を主に記してます。

ノボの昔話「小便」

2008年11月13日 12時25分19秒 | ノボの昔話

「小便」

冬はとても寒く、ノボタンの家の周りは港からの風にあたると何でも一瞬にして凍る。

ノボタンの家は、風が入らないだけで部屋の温度は外とあまり変らなかった。

寝床の床は土間。
その上にたっぷりの藁(わら)が、固く敷き詰められ、莚(むしろ)が敷かれていた。
敷布団に、丹前(たんぜん)という綿入りの着物をかけ、その上に布団をかけて寝ていた。
しばれる夜は母ちゃんが囲炉裏で石を焼き、ボロキレでグルグル巻いた簡易の行火(あんか)を布団の中に入れてくれたのでポカポカだった。

しかし朝方は髪の毛が真っ白になるほど寒くなる。
寝床に雪が積もっている事も度々あった。

一番大変だったのは、夜中寒くて起きてしまう事。
そうゆう時は大抵、小便がしたくなっている。
トイレは外の便所か玄関先。

便所に行く時は、丹前(たんぜん)を羽織っていかないと、しばれて死にそうになる。
しかし寝床に戻ってくるまでには体も布団もすっかり冷えてしまい、暖まるまで暫くは眠れない。

真冬はさらに寒く、行火(あんか)が冷えるのも早い。
夜中起きてしまうと震えがおさまらず眠れなくなる日もある。
トイレに行きたくても我慢して眠ってしまう事も多かった。

しかし、どうしても小便が我慢できない時もある・・・・。

その日は吹雪きだった。
吹雪の日には珍しく布団の中は暖かかった。
ノボタンは必死で小便を我慢するが、その我慢も限界に達していた。
小便が我慢できない。しかし、どうしても布団から出たくない。
ノボタンは掛け布団ごと体をずらすと、莚(むしろ)の隙間にチンポを差し入れ小便をした。
「ふぅ~。極楽、極楽。」

それ以来、暖かい布団の中で用を足す事は楽しみの一つになった。


おわり

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近所のオジサン「あはは!!俺もやったわ!!」
ピコ「なんだよ!!床にしょん弁するのかよ!!きったねぇなぁ~!!」
ノボ「きたねぇってなによ!!土間に藁敷いているだけなんだからいいべや!!」
近所「昔はみんなやったさ。なぁ。」
ノボ「ああ~!!やったさ~!!」
ピコ「そんな事ばっかりしてたら臭くなるべさ」
ノボ「なんもだ。しょん弁なんて直ぐ凍るべ。凍ったしょん弁が匂うか?」
近所「間違って丹前にしょん弁かけちまうよりましだ。」
ノボ「あんただったらチンポ曲がってるから、いっつも丹前にかかってたべさ?」
近所「いや、そんなに曲がってないぞ。見るかい?」
ノボ「そんなもん見たら顔曲がる。」
ピコ「・・・でもさ、その汚い藁はどうするのさ」
近所「わはは!!顔曲がるって・・・失礼だなぁ・・・。」
ノボ「自分が寝るだけの場所なんだから綺麗も汚いも無いべや。」
近所「そうだ。そうだ。春になったら藁入れ替えるしな・・・。」
ノボ「冬だけの楽しみみたいなもんだ。」
近所「うまい事いうね~。・・・・でもよ~、女はどうするんだべな?」
ノボ「尿瓶なんて無いしな。」
近所「ん!?知らないのかい?尿瓶じゃないよ!!チンポが無いんだって!!」
ノボ「ああ!!そうなのかい?俺は見たことないからな~。」
近所「なにさ、まさか童貞かい?」
ノボ「俺なんて生まれた時からずーっとそうさ~。」
近所「ウソだべさ!!ヒャッハッハ!!」
ノボ「ヒャッハッハ!!」
近所「ヒャッハッハ!!」

ピコ「お前ら小学生か・・・。」
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「しばれる」とは「命の危険を感じるほど寒い」「凍る」と言う意味。
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ノボの昔話「でんぷんカス」

2008年11月12日 19時29分46秒 | ノボの昔話

「でんぷんカス」

遠く離れた農村地では秋になると澱粉を作る工場が最盛期を迎える。
じゃがいもを砕いて澱粉を取り出す工場だ。
人手はいくらあっても足りない。
父ちゃんは汽車に揺られ田舎町まで出稼ぎに行く。

田舎町では澱粉や麦が手に入る。
いつも父ちゃんは出稼ぎから帰って来る時、背中に麦や澱粉をかついでくる。

しかし、その年はリヤカーを引っ張って帰ってきた。

麦、澱粉、じゃがいも・・・。
その他に桶が乗っていた。

「漬物かな?」

蓋を開けると変な匂いがする。
白っぽいおからのような変な物…。
「くせぇ~!!何だこれ!!」


母ちゃんは何も言わず、それをフライパンに平たく伸ばし、醤油で味付けして焼いた。
「マズい。食えたもんじゃない。」
しかし、みんなは黙々と食べている。

その得体の知れない料理は3日間続いた。
3日も経つと桶にウジが湧いていたが、母ちゃんはそれを寄り分け、腐っていないところを探して焼いた。

口に入れようとすると酷い臭みがあり猛烈に酸っぱい。
明らかに腐っている。
しかし声を発するだけで頭にコブが出来た。
「文句言わないで食え!!」
何も言ってないのに・・・。

その得体の知れない物はジャガイモから澱粉を取り出した残りのカス。
直ぐに腐り、悪臭を放つ産業廃棄物だった。
ノボタンは、このデンプンカスを食べて以来、お好み焼きも食べられなくなってしまった。

次の日、父ちゃんはそのデンプンカスを畑にばら撒いていた。
じつは父ちゃんも我慢して食っていたようだ。


おわり

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ノボ「あんな物ブタも食わねぇ。あんな腐った物を子供に食わす方がおかしい。」
ピコ「たっぷり食べさせようと思ったんでしょ?」
ノボ「腐ったデンプンカスだぞ!?お前食えるか?」
ピコ「うう・・・・・食糧難て恐いな。」
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ノボの昔話「夢遊病」

2008年11月11日 13時43分02秒 | ノボの昔話

「夢遊病」

家の裏には細くて深い川が流れている。
いつも用事のある家は直ぐ川向にある。
この丸太を渡ればすぐに向こう岸に着くが、とても危ない。
運動神経がいいノボタンだったが、よほどの事が無い限り使う事はない。

ちゃんとした橋は百メートルも離れた所にある。
とても遠回りだったが、普段はそちらの橋を渡っていた。

それなのに・・・・。


今日は兄貴がどこからか板を探してきて大工仕事をしている。
カンカンカン。
壁の穴を修理している。
昨晩ケンカの夢を見て、壁をぶち破ってしまったのだ。

そう、兄貴は酷い寝ぼけ癖がある。

夜中、ウロウロ歩き出し外で目を覚ますなんて日常茶飯事。
部屋の中で大騒ぎする事もあるが、本人は何も覚えていない。
しかも寝ている時は強靭的な力を発揮する。


じつは・・・・・・・・。

この兄貴だけじゃない。
ノボタン一家の男兄弟はみんな夢遊病。

この間は、夜中に大騒動だったらしい・・・。

ノボタンが夜中に突然、奇声を発し外に飛び出した。
母ちゃんは急いで追いかけたが、ノボタンは学年一番のスプリンター。
兄貴や姉ちゃんも追いかけたが、誰も追いつけない。

ノボタンの行く先は、細くて深いあの川。
辺りは真っ暗、どこが川なのか良く見えない。
家族も川岸についたがノボタンがいない。

「どこにもいないぞ!!」
「どこだ!!どこだ!!」

「いた!!いた!!」

ノボタンはあの細くて恐い丸太の真中に立っていたのだ。
母ちゃんはスゴイ形相で「戻ってこい!!」と怒鳴った。
その声を聞いたノボタンは驚いたのか慌てて向こう岸に渡ってしまった。
追いかけようにも暗くて丸太が良く見えない。
こんな夜中に丸太を渡るのは自殺行為。
兄貴達はしかたなく遠回りの橋から向こう岸に急いだ。

するとノボタンは何を考えたのか、丸太をポンポンと渡りこっちにやってきた。
母ちゃんは慌てて「危ない!!来るんじゃない!!」と言ってしまった。
ノボタンはビックリして、再び向こう岸にポンポンポ~ンと飛んで逃げていった。

ノボタンは、その後も丸太を行ったり来たり・・・。
肝の据わった母ちゃんも、この時ばかりは肝を冷した。


おわり

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ノボ「あの丸太の橋を走って渡ったなんて信じられないよ・・・。」
ピコ「そんなに危ない丸太だったの?」
ノボ「はしだけに、はしって・・・なんてな・・・あはは」
ピコ「そのつまらんダジャレを言いたくて、この話をしたんだな。」
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ノボの昔話「骨箱」

2008年11月10日 13時17分59秒 | ノボの昔話

「骨箱」

連日、食料が少なく兄弟も多かったからノボタンはいつも腹ぺこ。
何も食べられない日も多かった。
町には物乞いをする子供も多い。
物乞いをする子は首からお骨(こつ)の箱をぶら下げ、手には茶碗を持って歩いている。


軍服を着た大人を見つけると、無表情で茶碗を差し出す。
大人は「頑張れよ」と言って茶碗にお金を入れたり食べ物を入れる。
茶碗を差し出すだけで、お金や食料がもらえるその姿は少し羨ましかった。

ノボタンは何気なくそんな光景を眺めていたが、その子供は突然物陰に隠れると、骨箱をあけてお金や食べ物を箱の中に放り込んだのだ。

「骨箱に何故?」


その夜、父ちゃんが言った。
「物乞いは恥ずかしい事だ。おまえ達は絶対するなよ」
ノボタンは「親がいるのに物乞いなんて出来るわけないだろ。」と思ったが、物乞いしていた子供の中には両親が健在な子も多かった。

戦後は混乱していて定職を持っている人はほとんどいない。
父ちゃんも定職はないが、格好など気にせず、大変な仕事も危険な仕事もこなしていた。
ノボタンはいつも腹ぺこだけど、物乞いするまでの発想にならなかったのは、父ちゃんのお陰だった。

他所の家もみんなそうとは限らない。
親が健在でも怪我や病気など事情があってで働けない人もいる。
収入が極端に少ない人や、運悪く食料が手に入らない人もいた。
子供達は物乞いをしてでも生きていかなくてはならない。

その子が首からぶら下げていた骨箱は、親が戦死した事を演出するための空箱だったのだ。


おわり

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ノボ「ちっこい体で、よく働いていたなぁ。親父。」
ピコ「体の大きさと仕事は関係ないんじゃないか?」
ノボ「ハゲていたのになぁ~・・・。」
ピコ「はぁ?つまり、年をとっていたと言いたいんだな。」
ノボ「それにしてもあのガキ・・・。俺の顔見て睨みやがった。」
ピコ「恵まれた子供に見えたんじゃないの?
   頭悪そうな金持ち見たら睨みたくなるしょ。」
ノボ「そうか、良い所のお坊ちゃまだったからな・・・俺。ウハウハ」
ピコ「そういう意味じゃないよ。」
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ノボの昔話「カモメ」

2008年11月09日 12時52分14秒 | ノボの昔話

「カモメ」

ラジオの前に並ばされ、みんな土下座。
頭を少しでも上げると棒で叩かれた。
「堪え難きを堪え、忍び難きを忍び、以て万世の為に太平を開かんと欲す・・・・」

天皇陛下のお言葉だ。
意味は解らないが、もう防空壕(ぼうくうごう)に入らなくていい・・・。

でも相変わらず食べる物がない。
本当に無い・・・・。

ノボタンは兄貴達と一緒に釣りをするのが日課になっていた。

でも釣れる魚はいつも同じ。
一週間もすると、どう料理しても飽きてくる。
いくらお腹が減っていても毎日同じ魚は辛い。

ある日、釣りをしていると一匹のカモメが捕った魚を横取りした。
釣り上げた瞬間の魚まで狙ってカモメがたくさん寄ってくる。

「くそ~!!」
ノボタンは邪魔なカモメをやっつけようと考えた。
釣り針に魚を引っ掛け、川淵に放り投げた。
するとカモメは魚をパクッ。
カモメは一度、魚を飲み込むと吐き出したりはしない。

なんとノボタンはカモメを釣ってしまった。
久しぶりの鳥肉はうまい。

その日以来ノボタン達の釣りはカモメ釣りに変わった。

「あんた達!!やめなさい!!かわいそうだべさ!!」
カモメ釣りの光景を見ていた近所のおばちゃんに叱られる事もあった。
兄貴達は、そんな人に向かって怒鳴った。
「食う物無いんだから仕方ないべや!!俺たちよりカモメの方が可哀想なのか!!」

「人々が飢えて死ぬか」
「動物を虐待をするか」
どちらかを選べと言われたら誰もが悩み、何もいえなくなるだろう・・・。

ノボタン達のカモメ釣りは数日続き、近所の人々の食卓にも上がった。
「可哀想だべさ」と言ったおばちゃんの空腹も満たした。


おわり

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ノボ「あんなに怒ってたくせに、もっと捕って来いだってよ。」
ピコ「カモメをいじめてると思って叱っただけなんだって。」
ノボ「俺がカモメなんて、いじめるわけ無いないべや」
ピコ「びみょー。」
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ノボの昔話「爆弾命中」

2008年11月08日 14時22分35秒 | ノボの昔話

「爆弾命中」

以来、ノボタン達一家は防空壕を追い出された。
防空壕は自治会みんなが集まる所。
一人でも起立を乱す人がいるとみんなの命が危ないのだ。
空襲警報が発令されると家の電気を消し防空壕から出てはいけないのが軍からの命令だった。

空襲が起こっているのに、防空壕の前で爆撃機に向かって手を振るなんて、ここを狙えと合図を送っているような物…。

父ちゃんは仕方なく離れた場所に一人で防空壕を作った。
しっかりした作りで、土砂も崩れないしホコリっぽくもない。
しかし閉所恐怖症はそういう問題じゃ解決しない。

いったん空襲警報が始まると家族も大慌て。
パニックするノボタンをみんなで捕まえ防空壕に押し込んだ。


この日のB29も偵察のみで爆撃は無かった。

しかし防空壕に入るまでには、父ちゃんのゲンコツ爆弾が何発も頭に命中した…。


おわり

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「普通よ。子供が除けたらそれ以上叩かないべ?当るまで叩くんだって・・・」
「言う事きかないからさ。」
「叩いたって、叩かなくたって、言う事はきかんて。」
「だから余計に叩かれるんだって・・・。」
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ノボの昔話「ノボの自慢」

2008年11月07日 17時01分03秒 | ノボの昔話

「ノボの自慢」

それ以来ノボタンは防空壕(ぼうくうごう)には入らない。
泣きながらみんなの手を振りほどき防空壕を飛び出す。

目の前には、あのB29爆撃機。
すごい低空飛行。
B29のパイロットがこっちを見てるのがわかる。
ノボタン思わず手を振った。
米兵もノボタンを見て手を振った。


それは密かなノボタンの自慢。
戦時中に米兵と挨拶交わす、そんなバカな奴いない。


でも爆撃が終わり、父ちゃんが防空壕から出てくると、ノボタンのほっぺはリンゴより赤く腫れ上がった。


おわり

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ノボ「あいつは加減てものを知らない・・・」
ピコ「B29に手を振るって、本気で叩かれるほど危ない事なんでしょ?」
ノボ「人なんて狙ったって当らんて。米軍さん笑って手振ってたぞ。」
ピコ「緊張感ないなぁ。叩きたくなる気持解るよ。」
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ノボの昔話「閉所恐怖症」

2008年11月06日 18時40分32秒 | ノボの昔話

「閉所恐怖症」

ノボタンはいつ閉所恐怖症になったのかわからない。
物心ついた時には、すでに迷惑な存在になっていた。

ガラガラ…。ガラガラ

わぁあああああ!!
きゃあああああ!!
シクシク…。
オギャーオギャー
暗闇で悲鳴と泣き声が響く

今は戦争。
ここは昔トンネルとして使われていた手堀の歩道。
今は防空壕(ぼうくうごう)として使われている。

外では爆弾の音が鳴り響いている。
近くに爆弾が落ちるたびに土砂が崩れ。
頭に石が落ちてきてノボタン恐くなった。

「潰れちゃう。息苦しい!!このままここで潰れて死んじゃう!!」

体を抑え付けられ身動きが取れない。

暗闇の中、大人達の恐怖に怯える叫び声。
ノボタン恐くて暴れながら外に出た。

「戻れ!!」と追いかけられたけど、ノボタンはパニックになって丘の上まで走って逃げた。

ふと見あげると、目の前には爆撃機が飛んでいる。
「おおお!!B29・・・・。」
爆撃機はたくさんの爆弾を落とし川には無数の水柱。
橋を壊そうと爆撃しているのだ。
ノボタンは遠くにあがる煙と炎、川に高く上がる水柱を眺めていた。
ノボタン当時五歳。今も鮮明に蘇る記憶。

やがて爆撃が終わると、言うまでも無くノボタンの頭にはお供え餅みたいな大きなタンコブが出来た。


おわり

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ノボ「すげーんだぞ、水柱が百メートル近く上がってたんだぞ・・・」
ピコ「いやいや・・・百メートルは大げさだろ?」
ノボ「いやいや、百メートル以上あった・・・。」
ピコ「ない。」
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