の~んびり タイランド 2

タイの風景、行事や趣味の陶磁器を写真を中心に気ままに紹介しています。

パーンの窯道具

2022年04月16日 | 陶磁器(タイ)





パーン窯の青磁鉢です。やや赤みを帯びた肌理の細かい胎土で、しっとりとした青磁釉が掛かっています。高台内はトチンに置かれた周りが緋色を呈しています。
開窯時期は北タイで一番遅く活動期間も15世紀だけと考えられています。

パヤオ市街から国道1号線を34km北上するとチェンラーイの県境となります。県境から12km進むとパーン市街に至ります。国道をさらに14km北上した所にポーンデーン古窯があります。
古窯址は田圃に浸食された一角のラムヤイ畑の中に取り残されています。
田圃が年々窯址を削っているようで、田圃の縁はいつも陶片や煉瓦がたくさんのぞいています。
果樹園の中にはたくさんの窯址と思われる小山が点在しており、二十ヶ所ぐらいの窯址があると言われています。

ある時訪れると果樹園の真ん中に田圃へ水を引くため用水路が掘られていました。当然窯を潰し、物原も掘り起こしたようです。
掘削後ある程度の日にちが経過したようで、水路の縁や掘り上げた土が雨で流され夥しい陶片が転がっていました。







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砂粒を含んだ筒型トチンです。繰り返して使われたようで降灰が自然釉となっています。
下は小物を置いたハマです。

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いずれもきれいに発色した青磁の鉢や盤です。
線彫りの魚文を探したのですが花文や蓮弁文しか見つかりませんでした。





















口径10cm以下の碗や皿、灯火器は全て平底です。
一番下の小皿は施釉前に欠けたようですが、「まっええか」と窯詰めして焼成後に廃棄している、微笑ましい光景が浮かんできます。

























動物の小さな置物や器の蓋を集めました。他にも水差など、現在ならば日用雑器と呼ばれる品がほとんどです。

最後の品はランプです。耳が二つあって紐で吊す携帯用でしょうか… タイ人は水を入れて持ち歩く水筒のような物だと言いますが、高さ10cm程で水を入れるには小さすぎます。シーサチャナライにも同じ形状の器があり、ボー スアック古窯の出土品にも書籍に掲載されています。
参考までにシーサチャナライの鉄絵ランプを添付しておきます。



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