の~んびり タイランド 2

タイの風景、行事や趣味の陶磁器を写真を中心に気ままに紹介しています。

タ・プローム(1)

2015年08月16日 | カンボジア

「タ・プローム」は1181年王位についたジャヤヴァルマン7世が最初に建立した寺院です。母の菩提を弔うために、東西1,000m、南北600mの外壁をもつ広大な敷地に、三重回廊、中央に9基の祠堂、周囲にもたくさんの小祠堂を規則正しく配置した寺院です。
大乗仏教僧院として創建された後も増築が続けらて、敷地内は迷路のようになっています。
往時は5,000人を超える僧侶、615人の踊り子など12,640人が住み、周辺の村々に住む79,365人が寺院維持のため奉仕していたといわれています。
(「アンコール・ワットへの道」石澤良昭著を参照しました。)

西塔門から入ります。アンコール・トムと同じ観世音菩薩の四面塔門です。崩壊が進み危険状態になった門は通行を禁止されています。



日本語の解説板が立っていました。

鬱蒼と茂った樹木の間を進みます。



西門までの参道わきの伽藍は崩れ、石材の山です。

西門周辺は修復中です。



巨木に成長したスポアン(榕樹・ガジュマルの一種)がいたる所で壁や建物に根を下ろし、積石にくさびを打ち込んだように根を張っています。
熱帯の樹木は成長が早いわりには、地面に十分な根を張っていないので、豪雨や少し強い風で簡単に倒れてしまいます。根に絡められた建物、倒れた木が覆いかぶさり崩れる建物と貴重な遺跡の破壊が進行しています。
観光資源として巨木の絡んだまま放置しているのであれば、方針を改めて、貴重な遺跡がこれ以上崩壊しないように保護を優先するべきでしょう。



タ・プロームの未倒壊の壁や柱にたくさんの女神が残ります。
大乗仏教寺院として建造されましたが、後にヒンドゥー寺院に改宗され、仏像などの仏教彫刻は削り取られています。

この楼門の屋根に生えた榕樹が倒れるときは、建物も一緒に倒れることでしょう。



回廊が倒壊しています。

回廊内壁には仏陀が彫られていたようです。ジャヤヴァルマン7世亡き後に削り取られました。