の~んびり タイランド 2

タイの風景、行事や趣味の陶磁器を写真を中心に気ままに紹介しています。

シー・サチャナライのソンクラーン (5)

2013年09月03日 | スコータイ

午後5時前、夕焼けにはまだ早いですがシー・サチャナライ遺跡公園へ夕陽の撮影に出かけます。この時間になると遺跡公園の管理人は帰宅して入場料の徴収はありません。

「ワット・チェディ・チェット・テーオ」でシー・サチャナライ都城内の中心的寺院です。中央にスコータイ様式の尖端が蓮の蕾状に膨らんだラテライトの仏塔が建っており、周りには七つの様式の仏塔が33基並んでいます。主なものは14世紀のリタイ王統治時代に建立されたそうです。夕暮れになって、少し気温が下がれば近くに住む人達が訪れます。

クメールの影響をうけたナーガに座る仏陀像は多少の修復があるようですが、保存状態は良好です。



通常のナーガは5か7の頭ですが、この像は9の頭をもつナーガです。





周りに建つ仏塔の仏像を集めてみました。
タイの寺院建築材料は6世紀から11世紀に繁栄したモン人の国家「ドヴァーラヴァティー王国」では煉瓦、クメール人は石材、16世紀のモン人の文化影響を受けた南部のアユタヤは煉瓦を用いました。仏教信仰や文字を持たないタイ人が覇権を執った13世紀のスコータイ時代は、文化等の知的人材をクメール人から求めていたようで、建築資材や寺院構成はクメール文化を引き継いでいます。14世紀末から15世紀になって、初めてタイ様式が開花したようです。

雲が厚くて太陽がぼやけています。

場所を「ワット・チャーン・ロム」に移してみました。
第3代国王ラームカヘンの命で、13世紀末にクメール軍を打ち破った記念に建立されたといわれています。基壇を38頭のラテライト製の象が支え、上部基壇の壁龕には座仏が安置されているスリランカ様式の仏塔です。



遺跡の西方に「ワット・スワン・キリー」「ワット・カオ・パノム・プレーン」が建つ小高い山があって、落日は雲間で見えないだろうと思い、「チャリエン」の「ワット・プラ・シー・ラタナー・マハータート」へ移動します。
この寺院は、最近、発掘作業が行われ大量の磚仏が出土、周辺の住民も発掘に参加してお宝探しで狂騒状態になっていました。

タイの新聞で報道されたお宝探しの写真です。

チャリエン区域は、11世紀にクメール帝国がビルマからベンガル湾へ抜ける交易路を掌握するための小国があったと言われており、ワット・プラ・シー・ラタナー・マハータートの創建はスコータイ時代以前で、何度も改築が繰り返されてきたようです。クメール様式の仏塔の西側には、ビルマのモン様式の仏塔もあります。土砂は基面から約1.5m堆積しています。寺院、及び寺院周辺を広範囲に発掘しています。

掘った土は篩にかけて遺物を選別します。

発掘された遺物が袋詰めされています。回収品は全て無釉の屋根瓦です。
磚仏、寺院装飾も大量に出土したようですが闇ルートに乗ってしまいました。

午後6時20分、夕陽を諦めヨム川を渡った時です。川上の西空を紫色に染めて沈む夕陽が目に飛び込んできました。諦めるのが早すぎたようです。





とりあえず本日の夕食です。お粥におかずが付きます。