○ 光背を背負へる吾にあらなくもともかく生きて古希の座に在り 鳥羽省三
○ 格別に目出度きことにあらねども養殖鯛の頭など喰ふ
○ 幾たびの大患を経し命なれ鯛の骨までせせりてぞ居る
○ 思へれば去年の今日は引越しのどさくさ中で祝ひも得せず
○ 先生は何歳になりましたかと電話くれたる教へ子の在り
○ 我が歳を問ひたる彼は四十五で問はれし我は七十になる
○ 過ぎ去りし七十年のあらかたは無為に生き来しこれからもなほ
○ 生年は紀元二千六百年没年おそらく二十一世紀
○ 逢ふ前の二十八年逢ひし後の四十二年そしてこの後
○ あはれ この梅雨空のした十キロの米を抱へて妻は帰りぬ
○ 格別に目出度きことにあらねども養殖鯛の頭など喰ふ
○ 幾たびの大患を経し命なれ鯛の骨までせせりてぞ居る
○ 思へれば去年の今日は引越しのどさくさ中で祝ひも得せず
○ 先生は何歳になりましたかと電話くれたる教へ子の在り
○ 我が歳を問ひたる彼は四十五で問はれし我は七十になる
○ 過ぎ去りし七十年のあらかたは無為に生き来しこれからもなほ
○ 生年は紀元二千六百年没年おそらく二十一世紀
○ 逢ふ前の二十八年逢ひし後の四十二年そしてこの後
○ あはれ この梅雨空のした十キロの米を抱へて妻は帰りぬ