臆病なビーズ刺繍

 臆病なビーズ刺繍にありにしも
 糸目ほつれて今朝の薔薇薔薇

光背を背負へる

2010年06月18日 | 我が歌ども
○ 光背を背負へる吾にあらなくもともかく生きて古希の座に在り   鳥羽省三

○ 格別に目出度きことにあらねども養殖鯛の頭など喰ふ          

○ 幾たびの大患を経し命なれ鯛の骨までせせりてぞ居る

○ 思へれば去年の今日は引越しのどさくさ中で祝ひも得せず

○ 先生は何歳になりましたかと電話くれたる教へ子の在り

○ 我が歳を問ひたる彼は四十五で問はれし我は七十になる

○ 過ぎ去りし七十年のあらかたは無為に生き来しこれからもなほ

○ 生年は紀元二千六百年没年おそらく二十一世紀

○ 逢ふ前の二十八年逢ひし後の四十二年そしてこの後

○ あはれ この梅雨空のした十キロの米を抱へて妻は帰りぬ   


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