湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

ドビュッシー:歌劇「ペレアスとメリザンド」

2013年01月13日 | ドビュッシー
○アンゲルブレシュト指揮フィルハーモニア管弦楽団、BBC合唱団、モラーヌ(ペレアス)ダンコ(メリザンド)(TESTAMENT)1951/6/1放送録音・CD

元々正規録音される予定だった組み合わせというのも驚きだが、完璧な歌唱陣もさることながらイギリスオケがアンゲルブレシュトでこれをやった、明晰でデジタルなアンゲルブレシュトが軟らかな音で技巧的には「何気に」完璧にこなすオケを振ったらこういうものができた、というのがアンゲルブレシュトファンには驚き。アンゲルブレシュトがフランスオケの色彩感を頼りにしていたのがわかる半面イギリスオケの技術が自然で滑らかな音楽表現を可能とし、アンゲルブレシュトの目指すところを一段上に引き上げているようにも感じる。RVWじゃないか、と思わせる瞬間。だが物語が進むにつれ、独唱の圧倒的な説得力にオケはあくまでバックという意識へ落ちる。歌のひとつひとつを単独で歌曲録音として出しても成立しそうだ。。

しかし録音が悪い!ノイズが終始聞こえる。◎にはできない。
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ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1911原典版)

2013年01月11日 | ストラヴィンスキー
○モントゥ指揮BPO(TESTAMENT)1960/10/6、7放送live・CD

危惧していたが・・・。作曲家が若いころ愚鈍としたこの指揮者、まさにそのままの冒頭からひとくさり。オケのせいもあるだろう。だが初曲よりしばらくたつと慣れてきたのかドイツオケの迫力がモントゥのバレエ指揮者としての強靭な持ち味とあいまって、ズレがちだった縦も何とかなり、ロシア舞踊では依然ノリや精度に問題はあるものの愚直なまでにリズムを揃えようという意識が感じられ、なんとか許容範囲内に収まる。いやこのリズム感は無いなあと思うのだが(ポリリズムという点を鑑みても)レストアの良さもあって響きは面白い。フルートあたりは上手いし、ブラスはイマイチだが味はある。でも全般として褒められた出来だろうか?出来のいい場面と悪い場面の差がありすぎだ。細かい事故を論ったらきりがない。対して弦は強靭だ。しかしまあ、よく考えたらモントゥのペトルーシュカには多かれ少なかれそういう側面はあったなあと。弱音部のリリシズムはいい。人形が死んで、パラパラと拍手が入ってきて、この曲自体へのベルリンの理解がそもそも無かったのかなあと想像した。BPにこんな色彩感を出させたのは評価できよう。
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ドビュッシー:牧神の午後のための前奏曲

2013年01月11日 | ドビュッシー
ビーチャム指揮LPO(LSO)(dutton/IRON NEEDLE他)1939/2/13・CD

SP起こしだがノイズの中からも聞こえてくるのは「勘違い演奏」。音色に問題は無いのに解釈が前時代のロマン派というか、ワグナーのような明瞭さをもった楽曲として演じられ違和感がある。オールドスタイルなのに何か突き放したようなところがある。魅力的ではない。ビーチャムのドビュッシーには当たりはある。これは珍しくハズレだ。LSOと表記しているものがあるがLPOの誤りと思われる。
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ヴォーン・ウィリアムズ:富める人とラザロの五つの異版

2013年01月10日 | ヴォーン・ウィリアムズ
○デル・マー指揮バーミンガム市立交響楽団(EMI)1980/8/21-22・CD

なかなか独特。変奏曲の中でアクセントを異様に強調している箇所がやけに印象に残った。緩急の付け方の激しさはデジタルチックで、ある意味正統な古典回帰の演奏法かと思う。新古典めいたRVWの楽曲にピリオド演奏のやり方を少し取り入れようとしていたのではないか?しかし違和感は無く、他にはない個性を発揮した良演として◎に近い○。
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ヴォーン・ウィリアムズ:ノーフォーク狂詩曲第1番

2013年01月10日 | ヴォーン・ウィリアムズ
○デル・マー指揮バーミンガム市立交響楽団(EMI)1980/8/21-22・CD

明瞭に緩急を付けた演奏で陳腐な主題に入れ込むことがないから素直にRVWの牧歌的世界を楽しむことができる。中間部の浮き立つようなリズム処理、対して最良のハーモニーが聴かれる両端部の静寂、デル・マーがビーチャムのお鉢をつぎながらも独自の構成力を発揮した指揮者だったことを印象付ける。透明感も持ち味。
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デュカス:歌劇「アリアーヌと青ひげ」~3幕への前奏曲

2013年01月10日 | フランス
○マルティノン指揮ORTF(EMI)1972/2・CD

精妙な音楽は多分に描写的で、弦の細かい刻みが中欧歌劇とは違った和声の中に取り込まれドビュッシー初期を思わせる。断片的な印象派的音楽だがマルティノンの明晰な表現は若干オケの弱みも感じさせるもののデュカスの同時代における古くも新しくもある不思議な立ち位置をよくあらわしている。
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デュカス:交響曲ハ長調

2013年01月10日 | フランス
○マルティノン指揮ORTF(EMI)1972/2・CD

ひっさしぶり、LPで聴いていた音源をCDで聴いてみたが、もう、フランクだった。ここまで和音も組み立てもフランクか、剥き出しにされたソロ(パート)の扱いかたは違うが合奏になるとあの分厚いフランクになる。どうも完成度がイマイチ。あと、長い。。フランクより一歩踏み出した転調や移調の現代性には聴くべきものがあるが、これならダンディ聴く。マルティノンは相変わらずみずみずしい。だがやや単調か。
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ラヴェル:ピアノ協奏曲

2013年01月10日 | ラヴェル
○バーンスタイン(P、指揮)VPO(DG)LIVE・CD

酷い。管が酷い。バンスタの音色が酷い。3楽章でバンスタの指が回ら無ければ間違いなく無印の演奏である。冒頭のパッパカパカパカが既にド崩壊していて酷いが、とにかくブラスが全くラヴェル向きではなく機敏さが無い。バンスタもバンスタでこんなに無味乾燥した2楽章もないもんだ。この曲で2楽章をこんなにニュアンスもへったくれもなく演奏した記録を私は知らない。タッチも何も無い。音色を速さでカバーしたせいか終楽章最後ブラボーが飛ぶが、若い頃から比べて明らかに劣化したバンスタのピアノは特筆すべきだろう。その得意とした指揮解釈とは真逆。
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ディーリアス:「人生のミサ」~第二部への前奏曲第3番

2013年01月09日 | イギリス
○ビーチャム指揮LPO(somm/columbia)1938/2/11・CD

SP起こしだがかなり高音域を削ってしまい音が篭ってしまっている。これはホルンが活躍する「山の上に」とは違うが、同じ主題を使用しており、内容的にはよりディーリアスらしいオーケストレーションを楽しめる、短いながら変化あるもの。ただ、、、これだけじゃよくわからん。
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ブラームス:交響曲第1番

2013年01月09日 | ドイツ・オーストリア
○フルトヴェングラー指揮北ドイツ放送交響楽団(EMI,tahra)1951/5(10?)/27・CD

太筆書きで描き切った、という演奏で、その雄渾さは他の誰とも違うものである。ロマンチシズムよりも力強さが勝り、イギリスのヤワな抒情的演奏とか、クレンペラーのカタブツ的即物性とか、トスカニーニのこじんまりとした演奏とか、それらとは明らかに非なる。揺れ無く一直線の演奏ぶりなのに、なぜこんなに印象的なのか、説明するのは難しい。しいて言えばこの指揮者だからこそやる気を奮い立たされるオケのため、というしかない。私はこの演奏を決して◎にはしないが、久しぶりにフルヴェンを聴いた、凄い、という印象でこの文を〆る。
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シマノフスキ:夜想曲とタランテラ

2013年01月09日 | 北欧・東欧
○コーガン(Vn)ミトニク(P)(brilliant)1953/5/23・CD

録音状態はよいが、それだけに聴こえてしまうものがある。それほど精度が高くないように感じた。怜悧なシマノフスキの響きがひたすら民族的な気を煽る強い表現によってただ熱いものにされ、緩急がいまいち。もちろんバリ弾きスタイルなので技術がどうこうという問題ではないのだと思う。民族的な、といっても民族臭をふんぷんと放つでもなく、うーん。
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マーラー:交響曲第5番

2013年01月09日 | マーラー
○コンドラシン指揮ソヴィエト国立交響楽団(MELODIYA/bmg他)1974・CD

マーラーは譜面の細かい指示や、頼りない剥き出しの音による立体構造の組み立てかたがしっかりダイレクトに聞こえてこないと、格段に演奏理解が浅まる。録音はソ連ものにしては素晴らしいのではないか(BMG盤ですらそう感じた)。コンドラシンは元々個性がら力強いブラスを敢えて抑制的に扱い、剥き出しになりがちな弦楽パートは実際プルトが少なそうで音の数が数えられそうなほどなのだが、そこは無理して音を出させている。このオケにそうさせることからも精度を担保した西欧志向を感じる。楽団がなんとかコンドラシンの高い要求に答えられている姿はカッコイイ。トスカニーニ的突進も単純ではなく、マーラーの神経質な指示、細かいデュナーミク変化やアクセントを余すところなくえげつなくつけまくっているのが余りに作為的で、頭が痛くなるほど。ここまでくると現代音楽指揮者の域か。アダージェットは楽曲的には単純感傷性が売りの書き方ゆえ、その芸風だとまったく単調で聴いてられない。しかし、終楽章は小気味よく、間違いなくロシア最高のマーラー指揮者であることはたしかだ。
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ミヨー:ヴァイオリンとピアノのための春

2013年01月08日 | フランス
○マルツィ(Vn)アントニエッティ(P)(coup D'agrbhet)1951/10/31・CD

春という曲を無数に書いていたミヨー。シゲティのものをはじめとして器楽の範疇に入るような曲を5分程度の小規模な形で録音した例が多く、何かの録音集の穴埋めに使われていることがままある。しかし曲は美しい。ビアノが実に爽やかで個性的なファンタジーをかもすのがよいがミヨー自身もよくしたヴァイオリンの扱い方も凡庸な作曲家の教科書通りの書法にはならない。演奏は欠点がなく長所ははっきりしているところ、くらい。
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ディーリアス:夜明け前の歌

2013年01月07日 | フランス
○バルビローリ指揮新交響楽団(HMV/DUTTON)1929/6/7・CD

見事な復刻で20年代とは思えない。冒頭からバルビローリの柔軟な弦楽使いの様子が聞き取れ、まさにバルビローリを聴く演奏だろう。ビーチャムとは違う、技術に裏付けられたロマンティシズムの極致。オケはまったく問題なし。
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ドビュッシー:神聖な舞曲と世俗的な舞曲~Ⅱ.

2013年01月07日 | ドビュッシー
◎モレッティ(HRP)ジェラール・プーレ(Vn)デスジャーディンス(DB)パリジー四重奏団(NAIVE)CD

古今東西最も典雅な曲だ。確かに神聖な舞曲は余りぱっとしない曲だが、全曲出さなかったのは何故?豊饒な演奏でプーレの自由な表現にゆったり浸れる。他のメンバーもフランスものにかけては手だれ揃い。ゆったりだが通常余りやられない起伏のある演奏は単曲録音したせいなのか?これはオムニバスだが小洒落たカフェ向きなのでぜひ。
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