湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

ショスタコーヴィチ:交響曲第10番~Ⅱ.

2010年04月18日 | ショスタコーヴィチ
○ストコフスキ指揮フィラデルフィア管弦楽団(SCC:CD-R)1965/6/21live

ド迫力のスケルツォで雑味もいとわず我先にと主張するかのような各楽器パートが凄まじい迫力を出している。抜粋演奏のため単曲として通常全曲演奏よりもボリュームある表現で一定の聴感を与えようとしたのかもしれない。ストコフスキに10番全曲はなかったかもしれない。同曲は皮相的にはこの楽章しか強いインパクトを与える部分がない、という考え方もあったかもしれない。客席もはじけっぷりに戸惑い気味。○。余りよくない客席録音で耳に痛い音質。
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ショスタコーヴィチ:交響曲第5番「革命」

2010年04月15日 | ショスタコーヴィチ
○ストコフスキ指揮ボストン交響楽団(SCC:CD-R)1965/8/15live

お盆の中日にこの曲をやる意味を考えると、、いや関係ないか。インホールで(クリアだが)よくはない録音。しかし水際立ったキレのよさに分厚く重いひびき、他オケとのものに比べ精緻さをそなえたまるでミュンシュのような迫力を提示、ボストンSOにしては雑味を感じる向きもあるかもしれないが、ストコフスキにしては極めて固くしっかりした演奏である。急くような前のめりのテンポ取りで音符を短く切り詰めた表現が印象的な前半楽章、ボストンの弦の面目躍如たる雄渾なアダージオ、いくぶん潤いが足りないが直裁な解釈を忠実に、弛むことなく弾ききったフィナーレ、管打を増強し極端に引き延ばされクレッシェンドをかけられた終止音のド迫力、盛大なフラブラ気味の客席反応。他録と似ているがいずれ感銘をうけざるをえない。一楽章終わりに拍手が入り仕切り直し、フィナーレはアタッカ。○。
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グリエール:交響曲第3番「イリヤ・ムーロメッツ」(短縮版)

2010年04月11日 | グリエール
○ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(SCC:CD-R)1967/11/19LIVE

録音はややノイジー。だがストコフスキの力強さと粘り腰が活きるのはやはりロシアものなど後期ロマン派の大曲だと思わせるボリューム感と勢いをかんじる演奏で、フランス系でまとめた前中プロとくらべて説得力は強い。オーマンディのようにゴージャスながら厳しく(オーマンディはセルのようなところがあると思う)整えるよりも、拡散的な自発性を促し上手くドライブしていくため、録音としてはだらしなさや雑さを感じさせるが、ライブ感においては凌駕して強く訴えるようなものを持っている。短縮版委属者としてのストコの自信あふれる板についた表現が更にプラスされる。リヒャルトの影響の強い緩徐楽章の木管アンサンブルからコンマスソロのあたり、このオケとは思えない精度で法悦的な豊饒を示すとともに、けしてだらだら流されないテンポ、アタックの強さに鋭さが感じられる。○。
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ドビュッシー:管弦楽のための映像~Ⅱ.イベリア

2010年04月11日 | ドビュッシー
○ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(SCC:CD-R)1967/11/19live

鈍重であくの強い冒頭からストコフスキ解釈の悪いところが出ていて閉口するが、次第にリズムが調い遅いながらも流れがしっかり出来上がると、これはこれで美しい演奏に思えてくる。ロマンティックなドビュッシーが苦手な向きにも第二部の夜の景色の繊細さは奨められる。ドビュッシーの作品がそれだけ懐深いとも言えようか。
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ラヴェル:スペイン狂詩曲

2010年04月11日 | ラヴェル
○ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(SCC:CD-R)1967/11/19live

ストコフスキのフランスものには余りよくないものもある。これも鈍重でテンポがリズムと噛み合わず、不安定かつ遅い。響きが独特の深い原色の美しさを示し解釈にも独特のものがある、ストコフスキの長所ではあるのだが、ラヴェルにはあわない。オケも心もとない。ただ、静かな曲においてはねっとりした情趣がしっくりくる。技術的問題も露顕しない。○にはしておく。
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ファリャ:バレエ音楽「三角帽子」第二組曲

2010年04月11日 | その他ラテン諸国
○ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(SCC:CD-R)1967/11/19live

俊敏な演奏で、南欧派の音楽に余り適性がなかったと思われるストコフスキにしては素晴らしく駆け抜けるような爽快な演奏。色彩感がゴージャス過ぎるところまでいかず聴きやすい。
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プロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」抜粋

2010年04月11日 | プロコフィエフ
○ストコフスキ指揮南西ドイツ放送交響楽団(SCC:CD-R)1955/5/15放送live

組曲三番から二曲、二番から一曲の抜粋、ジュリエットのテーマはやや地味だが、ジュリエットの死は豊饒なひびきで美しく、ジュリエットの墓のロメオはかなりあからさまな表現でハリウッド映画的な側面を押し出している。オケが落ち着いて精度を保ち音も温度が低いから、プロコフィエフの音楽にはよくあっている。
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レスピーギ:ローマの松

2010年04月11日 | その他ラテン諸国
○ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(SCC:CD-R)1969/11/24LIVE

ストコフスキの松は遅い。鈍重でぶよぶよしており、リズムが引き締まらない。響きが雑然としてしまう。中間楽章はロマンチックでいいが(ローマだけに)、とくにアッピア街道の松は息が続かなくなりこけたりバラけたりと、開放感のないなんとも締まらない感がある。早々とクレッシェンドの頂点に達してしまい、そのまま吹かしているような。悪くはないが、よくもない。
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アイヴズ:答えのない質問

2010年04月10日 | アイヴズ
○ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(SCC:CD-R)1969/5/4live

びっくりするくらいロマンティック。不協和的な木管アンサンブルはヒステリックに叫ぶことなく遠い歎きのようにゆっくり、レガート。音量は落ちずに終幕。あきらかにいじっているため原曲の哲学性まで奪われた格好だが、しかし、聞きやすい。これはこれで抽象度の高い音楽だ。客席反応もよい。
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アイヴズ:祝日交響曲~Ⅰ.ワシントンの誕生日

2010年04月10日 | アイヴズ
○ストコフスキ指揮CBS放送管弦楽団(SCC:CD-R)1954/2/21放送live

放送コメントで「交響曲第五番ニューイングランドの祝日の一楽章」と入ってはいるが、バラバラの曲の寄せ集めであり、とくにこの曲はよく単体で演奏されていた。ストコフスキには全曲の本番演奏録音がなく(リハーサルは有り)、交響曲としてはどのような構成感でやるつもりだったのか定かではないが、ここでは余韻なくいきなり終わり、尻切れ感が否めない。おおまかに二部にわかれ、思索的な長い序奏と派手な祝祭的本編からなるが、ストコフスキは両者を完全に分断し、余り感傷を持ち込まず、生硬なテンポで不思議な楽器編成の面白みのみを注意深く聞かせている。○。
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クレストン:フルート、ヴァイオリンと弦楽オーケストラのためのパルティータ~Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ

2010年04月10日 | アメリカ
○ベイカー(fl)ウィルク(Vn)ストコフスキ指揮CBS放送管弦楽団(SCC:CD-R)1954/2/21放送live

新古典主義にたった作品だが冒頭の音線がずれているほかは擬古典様式で、当たり障りのない透明感あふれる作品。ストコフスキはとくに難しさもなくすんなりやっている。
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フォースター:サラバンド様式のアリア

2010年04月10日 | その他古典等
○ウィルク(Vn)ストコフスキ指揮CBS放送管弦楽団(SCC:CD-R)1954/2/7放送live

編成が小さいと案外すんなり聞けるストコフスキの古楽だが、どちらかといえばオケの自発的アンサンブルだけで出来上がってしまったと言えなくもない。ストコフスキらしさは余りなく、美しくしっかりしたアンサンブルが奏でられる。冷たさのあるオケの音もあっている。
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バルトーク:三つのルーマニア民族舞踊Sz.68

2010年04月10日 | 北欧・東欧
○ストコフスキ指揮CBS放送管弦楽団(SCC:CD-R)1954/2/7放送live

短い民謡編曲でバルトークにあまたある無邪気な小品だが、ストコフスキにかかるとひときわ無個性にひびく。弦楽アンサンブルを操るのが上手い指揮者だが横の動きに縦が流されてしまう傾向はあり、アタックが弱くハーモニーのはっきりしたメリハリが聞き取れないところにも起因しているのだろう。ただ、とにかく聞きやすいことは確かだ。
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ヴォーン・ウィリアムズ:富める者とラザロの五つの異版

2010年04月10日 | ヴォーン・ウィリアムズ
○ストコフスキ指揮CBS放送管弦楽団(SCC:CD-R)1954/2/7放送live

RVWの人気作品だが引用旋律を強調する余りいささか平易に流れ過ぎるところがあり、ストコフスキのわかりやすさを意識したスタイルだとライトクラシック的でむず痒さを感じる。ただ編成を絞った弦楽オケがやや冷たさを保った強靭な表現をとっているため、生臭いところまではいかない。まさに中庸のイギリスオケのための楽曲のようなものだから、滑らかな感傷以上の表出意欲を余り受け入れられないといったところか。技術的には素晴らしい。
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ガーシュイン:ラプソディ・イン・ブルー

2010年04月05日 | アメリカ
○作曲家(P)ホワイトマン&ヒズ・オーケストラ(PADA他)1924アコースティック録音・CD

依属者コンビは2録音が知られいずれもbrilliantの集成ボックスに復刻されていたかと思う。これは古いほうだが、ガーシュインの録音は非常に人気が高いせいか、様々なノイズリダクションが様々な人によって試みられており、かなりよい録音当時の状態に近いと思われる音質の復刻を耳にすることができる。作曲家はしゃっちょこばっており録音を意識した機械的なピアノを駆使し、バックもジャズとは思えないリズムの硬直ぶり、踏み外さない表現が際立っている。テンポも録音条件にあわせた速いインテンポ。ただ、そうであるからこそ音色で勝負している。冒頭のクラリネットから赤銅色の古きよき音がベニー・グッドマン様式とは違う、下品と上品の合間スレスレの感情を駆り立てる。編成を絞ったバックのいずれのソリストも、厳しく引き締めにあいながら、ただ音の質だけで起伏を作っていくのだ(この録音時期では音量による変化も期待しえない)。ピアノだって音色勝負である。もちろん、復刻により改変されそう聴こえるよう整えられたせいもあろう。しかしこれは、ポール・ホワイトマンの提唱したシンフォニック・ジャズの本質を今一度意識させるような記録であり、ガーシュインの天才がそこに注ぎ込まれた結果である。音作りは硬めなのにやわらかい印象を与える、こういう中庸のジャンルが当時あった。今はどっちかに別れている。○。
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