もともと部屋に篭ったり練習室やホールに篭ったりするのは嫌いである。結局公園で練習とかそういうことはしなかったけど、聴く場として部屋はなんとなく居心地悪い。店だともっと居心地悪い。デジタルポータブルプレイヤーが普及して、その音質が取りざたされるも、ハードもさることながら音源の圧縮方式や利用ソフトによっても違うとなって、かなり工夫すればそれなりの音質も引き出すことが出来るし、ヘッドフォンも専用の色々なものが出てきて、そのへんの大雑把なスピーカーでは誤魔化されてしまうような部分も微細に聴き取れたりする。
しかし、従来型オーディオがそうであるようにポータブルオーディオの世界も、上を見たらきりがない。また必要とされる知識もまったく毛色が違うとともに、日進月歩で変わり、ハード自体の更改もまた厄介で根本的な問題としてのしかかる。下手すると1年に1度買い替えなければならない。元が安かったとしても10年先を考えれば・・・うーん。
しかし目先のことをとりあえず整える。圧縮方式や圧縮率如何に関わらずsd-audioの復元補正込み音質的優秀さは前に書いたとおりだ。但しパナソニックの撤退により専用端末d-snap(コンポじゃなくて持ち運ぶほうね)の品薄状態は加速。圧縮・管理ソフト配布も表向きは終わっているし、一時期独占状態だった携帯電話すら見放した。
でも、外部メモリタイプ(本機種はSDカードに音楽を貯める)のポータブルオーディオには、カセットの頃から慣れている「媒体の入れ替え」という作業を懐かしむ以外にも、非常に今風のメリットがある。外部メモリの急速な技術的進歩ならびに低価格化だ。この機種は最後3世代はSDHC対応、即ち現在では32GBまでのSDカードに対応している。
管理上999トラックまで等の制約がつきものなデジタル圧縮オーディオだが、暗黙であろう、外部録音対応機種のd-snapには、外部録音用にmpeg3音源が記録・再生可能となっており、そこに制約が無い。私は32GB二枚と16GB二枚を常時持ち歩いているが(更にsd-audio方式録音の2GBカードを20枚ほど・・・)それぞれ3000トラック前後の音楽やラジオ音源が入っている。mpeg3(あくまで著作権フリーの場合)はsd-audioと違い可逆なので自由に入れ替えも可能であるしコピーも簡便だ。
ただこういう媒体は怖い・・・実際単純なデジタル写真ですら長く入れっぱなしにしておくと壊れてしまうこともある・・・ので全部バックアップはとってある。また、音質はあくまで外部録音用だけあってはっきり言ってそのへんのmpeg3専用プレイヤーよりもずっと悪い。昔はともかく今のipodより悪い。圧縮ソフトや圧縮率など問題ではない。長く聴いていると耳に鈍痛が走るし、ヘッドフォンはむしろ密閉式でもなく、悪いほうがよい(私はヘッドフォンは所詮強度に限界のある使い捨てと思っているので高いものは普段は使わない)。
そうなると欲しくなってくるのは何かしらの補正用機器である。音源補正しても水際がこうではしょうがない。私はかなり色々使っていて、携帯からbluetooth経由で聴くことも多いのだが、今の機種はドルビーサラウンドだの何だのついているので結構デジタル補正がよくて、前も書いたけど普通に原音を聴くより原音感があったりする(むろん実際はCDならCDそのもの無圧縮がぜんぜんストレス無く自然に聴けるのだが)。
これに近いものを携帯ではない形で中に挟めないものか?
で、つい先ほど、日本語解説付き?店頭発売したばかりの簡易ポータブルアンプを買ってきました。昔のがっしりしたポータブルアンプではなく、ipodシャッフルの猿真似な形・大きさの二機種。
いろんな測定値とか数値はあてにならないことは言うまでも無く、値段がなにぶん最低で1000円台私の買ったのが3000円台なので試し聴きも不可、買ってしまえということで買って、即聴いてみた。
うん、いいですこれ。
Fiio E5
代行輸入(オヤイデ)
レビューされているかたのブログ;今は量販店店頭に普通に在庫あります、値段は多少上がるけど
ブースターで低音強調するとより安定する(逆に安定させる程度の変化しかないから自然)。何よりmpeg3特有の鼓膜を刺激する雑音が軽減される。これが多少なりとも減ることがかなり大きいことがわかる。音量も値段なりではあるが結構増幅可能で、プラグやコードの許す限り大きな出力が可能となる。これならちょっとした旅行時に最近よく見るアンプ内蔵アクセサリ型モノラルスピーカーを使わなくても(持ってるけど)安っぽいアンプ無しステレオスピーカーで代用可能だ。
もっと使い込まないとわからないし、店員さん曰くbluetooth経由にしてしまうと意味が無いとはいうものの、やってみないとわからない。古い録音や雑音まみれのブート音源はmpeg3で聴いている私ですが、こういうものが安く出る世情だと前に書いた以上にポータブルオーディオの世界は進化していくかもしれない。