湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

オネゲル:モノパルティータ

2007年07月18日 | フランス
○ザッヒャー指揮ORTF(PATHE)LP

案外構造的でない、オルガンみたいな重厚な和音の旋律に従った変化で曲を進行させるたぐいのものが多い気がするがこの曲もそれ。しかし円熟期後の焦燥感があざやかな律動に昇華されたプロフェッショナルな書法はオネゲルファンを十分マンゾクさせることだろう。ザッヒャーはもうさすがと言うか、室内楽団でならした腕をその厳しさのままにオケに押しつけるわけでもなく同時代に人気をはくした中欧指揮者のそれに近いドラマを力強く示している。○。
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ラヴェル:「マ・メール・ロア」組曲

2007年07月17日 | ラヴェル
◎マデルナ指揮バーデン・バーデン南西ドイツ放送交響楽団(ARKADIA)1966/11/9live・CD

正規と言っても通用するくらいの良い録音で、びっくりするくらい繊細で美しい音楽だ。情緒纏綿にゆったりと進むさまはしかしいつものマデルナのような踏み外し方を一切せず、スタジオ録音的な精度が保たれる。結果としてロザンタールを彷彿とさせるとてもフランス的な品のある演奏に仕上がった。これはいい。ただ、拍手がモノラルで継ぎ足してある。ひょっとすると正規録音の海賊もしくは、フランス指揮者・オケのものの偽演かも。といいつつ、いい。◎。
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チャイコフスキー:交響曲第6番

2007年07月17日 | チャイコフスキー
○ウォレンスタイン指揮LSO(LEF他)CD

板起こしの状態がよくない。おそらく原盤はかなりいいステレオ録音の筈で、左右そっくり返ったり溝が浅くてかすれたりといった復刻瑕疵(1楽章に顕著)はちょっと問題だ。演奏はまっすぐで新即物主義スタイルだが力強くからっと明るく進むさまはこれはこれで爽快。オケは申し分ない素晴らしい出来。録音自体は生々しい迫力もある。だからこそ復刻状態が惜しい。また、山っけが無いだけに食い足りない人もいるかもしれない。でも廉価盤としてこのCDはうってつけの初心者向けの「色のついていない生の悲愴」。おすすめ。
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ビゼー:歌劇「カルメン」組曲

2007年07月17日 | フランス
○ウォレンスタイン指揮LPO?(LEF他)CD

まとまりがよく小気味いいリズムとともに品のよさを感じさせる好演。とにかくオケが巧い!爽やかでラテンノリを過度に煽らずドイツ的な野暮ったさもなく、しいていえばフランス的なのだろうがフランスオケの雑味はまったくない。木管のソリストの表現が聴き物。音の純粋さが印象的。○。
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ラヴェル:ボレロ

2007年07月17日 | ラヴェル
○ウォレンスタイン指揮LPO?(LEF他)CD

恐らく板起こし。しかし音質は柔らかく透明でいい。オケマン出身指揮者だけあって山っ気というかシロウト臭い解釈を入れずアンサンブルの調和を重視する点で聞きやすさがある。テンポは実直に速めのインテンポ、奇をてらわない演奏振りは好感が持てる。それだけに繊細で美しい響き、とくに木管はさすがロンドン・フィルの精妙な表現が生きてきている。最後も派手になりすぎずバランスが非常にいい。スコアを厳しく音にできれば変な伸び縮みを入れなくても十分効果的に仕上がるのがラヴェルなのだ。○。指揮者としての腕より曲への真摯さが伝わる演奏。
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自由なブログ新設

2007年07月16日 | Weblog
しがらみの多いジャンル別ブログやSNSをこのさいめんどくさいので一箇所にまとめることにした。なんだかんだいってexciteが使いよさそうなので、開設。基本的に文章創作や映画感想中心で、クラシック音楽の話だけはこちらに残します。ほかの日記だとか不思議ニュースだとかはこっちということで。

揺りかごから酒場まで☆小殻微動隊

気まぐれにまたやり方を変えるかもしらん。
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ラフマニノフ:パガニーニの主題による変奏曲

2007年07月15日 | ラフマニノフ
○ポディス(P)コンドラシン指揮クリーヴランド管弦楽団(WME)1970年代live

雑音や不安定さが目立ちエアチェック状態に問題があるが、コンドラシンライヴとしてはクリアではある。薄っぺらな2chステレオのせいもあるが、クリーヴランドの軽くて明るい拡散的な音とソリストのマイクに近い鋭角な音が耳にきつい感じがする。コンドラシンは伴奏のときはきほん伴奏にてっするが、ここではコンドラシンらしい力強さは確かに存在し、表現の雄渾さだけではなく雄大さすら獲得した晩年の円熟した芸風をすでに示している。前進力も損なわれてはいない、ただ、ある種、「青いなりの強引さ」というか、「若さゆえの傲慢な魅力」がなくなってしまっている、これはコンドラシンの魅力そのものに近い位置のものなだけに、ちょっと余り好きになれない人もいるかもしれない。まあ、演奏が比較的しっかりゆっくりなので(ソリストは別にスピードダウンを要求しているようでもなく技術的には上手いし表現力の幅もあるが録音のせいでやや音色変化が単調に聞こえるだけだ)、クリアな立体録音で変奏の隅々の仕掛けを楽しめるといえば楽しめます。この曲の仕掛けがきわめてクリアに透けて見えるのはオケのメリットだろう。あっここはあの曲の暗喩なのか、みたいな。
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ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ

2007年07月12日 | ラヴェル
○チェリビダッケ指揮トリノRAI放送管弦楽団(WME:CD-R)1970/5/1live

異常な遅さ。よく息が続くものだなあと。しかもテンポは情緒的に沈むのではなく意思的に遅く保たれ、揺れず重い。ひたすら針金のように非情緒的な音線がつづくさまは、これで録音がよければラヴェル向きのとても美学的な音楽にきこえるのだろうが、余りに分離の悪い篭った録音のせいでたんに重く聞こえてしまう(野暮ったくはないが)。録音は雑音がないかわりにものすごく不明瞭で、そこが私は好みではない。ただ、きっと録音がよければ美演として記憶に残る繊細な音楽だったろうことを思い○にしておく。トリノの管楽器は上手い。
Comments (6)
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ルーセル:ピアノ三重奏曲

2007年07月11日 | フランス
○フローラン・シュミット三重奏団(Cybelia)

可もなく不可もなく、というか若々しい軽やかさと薄さを併せ持った溌剌した演奏で思い入れとか計算とかいうものはあまり感じられない。繊細な音響操作や解釈といったものを求めず、この生硬な前期作品をそのまま楽しみたいならこれはこれでいいだろう。録音に少し古いステレオなりの悪さ(分離の激しさや茫洋とした低音部分)をかんじるがこれは媒体にもよるだろう、LPだとそう感じるということに過ぎない。創意のない古風なフランス派の作品で、フォーレらの強い影響は否定できず、みずみずしい旋律をひたすら聞き続けるだけのものであり、部分的にドビュッシーを意図したかのような非合理的な不協和音を使用するものの後年のルーセルの萌芽はその武骨な音響にのみ聞き取れる。○にはしておくが、それほど印象的ではない曲の印象的ではない演奏。

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ストラヴィンスキー:ハ調の交響曲

2007年07月06日 | ストラヴィンスキー
アンセルメ指揮スイス・ロマンド管弦楽団(LONDON)CD

ぱっとしない。1楽章から生硬さが目立ち、オケも無機質なのに技術があまりないという印象を与える。非常にきっちりしいのリズム刻みはアンセルメらしいといえばらしいのだがこのいささか冗長でストラヴィンスキーにしてはマンネリな交響曲を聴き通させるにはもう少しの感情がほしい。三楽章の交響曲に比べれば録音はいくぶんましだがいいとは言えない。木管の不調を特に感じるが終楽章での弦の乱れはもっと気になる。うーん、最後くらい余韻もほしいし、音だけがあればいいというストラヴィンスキー美学の実践にしてもちょっと苦しいか。無印。
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チャイコフスキー:大序曲1812年

2007年07月06日 | チャイコフスキー
○ゴロワノフ指揮モスクワ放送交響楽団(GRANDSLAM/MELODIYA)1947・CD

なかなか気合の入った力強い演奏で編成も恐らくかなり大きいことだろう。録音が弱いので迫力とまではいかないが、解釈(編曲ゆえに弱くなっている面もあるが)の独特のアクの強さがかっこよく曲におさまっているので気持ちいい。それほど「爆演」とは思えないがソヴィエト方式の秀演だと思う。○。
Comments (4)
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二つのイタリア民謡

2007年07月06日 | その他ラテン諸国
○レスピーギ夫妻(SP,P)(pierian)CD

民謡とはいえ非常に洗練された両演奏者の表現によりかなりスピーディにかっこよく収まっている。とくに奥さんの歌が技術的に素晴らしい。
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レスピーギ:抒情的歌曲集

2007年07月06日 | その他ラテン諸国
○作曲家夫妻(SP,P)(pierian)1927ブラジル・CD

奥さんの歌唱がオールドスタイルではあるがセンスに満ちていて素晴らしい。この時代の録音復刻にしても音もまずまずで、本人のピアノ伴奏は元が技巧的ではない伴奏にてっしたものであるため細かくはわからないがいささかの不安も感じない。曲はドビュッシーの影響を感じるが抒情性においてもっと過去のロマンティックな楽曲に近いものもあり、また構造的には単純である。和声や色彩の変化にはフランスよりもっと南のあっけらかんとした感もある。○。
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ラヴェル:ラ・ヴァルス

2007年07月06日 | ラヴェル
○バルビローリ指揮ハレ管弦楽団(BESCAL)CD

謎の東洋レーベル、ベスカルからの謎の復刻だが、初期ステレオのスタジオ録音そのままの板起こし音で、演奏自体も取り立てて言うほどのところもなく、しかしまあちゃんと曲を彫刻している、それだけ。プロの演奏として不可はないという意味で○。EMI録音と同じか。
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ミヨー:序奏とアレグロ(原曲クープラン)

2007年07月06日 | フランス
○モントゥ指揮ORTF(M&A)1958/11/9live・CD

原曲がそうなのだが表現が重い。まるで「青少年のための管弦楽入門」のような大仰さがあるが、少し戦争を思わせる物悲しさも感じられる。モントゥは立派に重々しく演奏している。
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