湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ドビュッシー:ピアノと管弦楽のための幻想曲

2017年01月27日 | Weblog
ニコレ・アンリオ・シュヴァイツァー(P)ミュンシュ指揮ORTF(DM他)1962/5/8live・CD

有名な演奏だが往年の名指揮者が振った記録としては破格の音の良さで、ほんの僅かの放送撚れと環境ノイズ以外満点のステレオ録音だ。ミュンシュとレジスタンス仲間でもあったアンリオとは実に多くの録音や演奏記録が残されているがこの曲はこれだけだろうか。正直アンリオは傑出したソリストではなく技巧的な瑕疵も繊細な味わいの希薄さも、ミュンシュは何故彼女を選んだんだろう、という時しばしばで、しかしこの曲くらいになると音が少なく、ただ力強く弾いても悪印象にはならず瑕疵もすくない。1楽章など他の演奏で感じられる同曲の生硬さを上手く丸め、雰囲気で聴かせていく。2楽章の法悦はむせ返るように美しく、ミュンシュの響きへの配慮が行き届いていて、アンリオもそこに融和している。3楽章はアンリオのバリ弾きスタイルで(テンポ感が僅かに揺れる箇所があるが)きっちりまとめながら美麗な初期ドビュッシーの明晰な再現をなし、オケは少しマイクから遠いが、それに沿ってきちっと律せられている。緩徐部はじっくり聴かせる。過度なほど。。イマイチ縦が人工的な感じの揃い方ではあるが、変に情に寄ることもなく、音が少ない曲をスケールの大きなものに持っていこうとする意思が感じられる。冗長感は増しているが。。そんなところ。
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2 Comments

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Re:お墓が (r_o_k)
2017-01-28 17:09:11
ネスレとお墓の話は初耳でした!同じお墓というのは普通じゃない感じもしますね。ディスクモンターニュの分厚いブックレットにはシュヴァイツァー博士との話も随分書いてありました(フランス語なのでわずかしか読んでいませんが(笑)博士との写真が載っていますね)幻想曲、新しい録音ではなかなか良いのが無いんですよね。これはその意味で貴重だと思います。
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お墓が (サンセバスチャン)
2017-01-28 17:01:31
ミュンシュはシュヴァイツァーの親戚で、アンリオ女史はシュヴァイツァーの甥と結婚、アンリオ女史はシャンパン業者のお嬢様、ミュンシュの奥さんがネスレの会長の孫だったと思います。アンリオ女史とご主人とミュンシュは同じ墓に入っています。 この演奏は、オーケストラが陶酔的なまでに繊細に歌い抜いていますね。どうしてアンリオ女史なのかは謎ですけど。
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