○ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(SCC:CD-R)1970/11/17live
14日リハ(DA,SCCで音源化)の本番記録のうち15日に続いてのものになるが、ボロボロではあるもののステレオであり、情報量が格段に違う。初演正規盤を除けばリハ含め4本ある記録(動画もあるが)のうちの、これが最も「聴ける盤」と思う。15日のものを客席録音としたが恐らく15,17共に放送ACであり、客席内の同位置にマイクがあると考えたほうがいいだろう(TVはなかったのか?)。15日のモノラル録音と解釈はまったく一緒だと思うが、空疎に抜けて聴こえなかった下支えの音やノイジーな断片の数々が比較的はっきり聴き取れる。1楽章こそ虫食い状態だが4楽章までいけば、初演記録よりもこなれ滑らかにクライマックスの形成された、ストコフスキ・レガートによる超絶的世界を堪能できる。合唱の歌詞がしっかり聴き取れるだけでも大成功だ。速いインテンポでさっさと進むわりに旋律とおぼしきものは漏らさず歌うことを要求した結果、むせ返るような法悦性が滲み出てまったくもってアイヴズ的ではないが、まったくもってアイヴズ世界である。この録音状態ではしょうがないので○に留めるが、4楽章は聴きもの。
※2010-05-19 16:34:04の記事です