○フィードラー指揮ボストン・ポップス(LONDON,DECCA)1977/6・CD
オルガン原曲はハッキリ言ってオルガンに似つかわしくない軽い曲でそのくせごちゃごちゃしていて(特に終盤は初期アイヴズらしい「音符詰め込みすぎ」)耳障り悪いのだが、管弦楽や吹奏楽にも編曲されているとおりアメリカ万歳の内容ということで人気の高いものになっている。ウィリアム・シューマンは曲を立体的に組み直しアイヴズ自身の管弦楽曲より洗練された書法でおのおのの魅力的な変奏を引き立てる(ま、大して変奏になってないのだが)。そして異なる調性の変奏同士が衝突するアイヴズらしい部分では、オルガン原曲ではわかりにくかった意匠をアイヴズ的に(つまりまんま鮮やかに二つ同時に演奏させる)解釈して表現させることに成功している。フィードラーは旋律処理はお手の物で愉悦的な音楽をリズミカルに引き立てる。終盤のごちゃごちゃはちょっと乱れるが仕方ないだろう。この時点でアイヴズが既に「逆変奏」を使っているのもよくわかる(この頃は伝統的な方法論も残り生硬ではあるが)、この曲はこの編曲が一番わかりやすいな。ちなみにこの主題はイギリス国歌として知られるが古き良きアメリカでは国歌として扱われることも多かった。アイヴズが古き良きアメリカを愛した(そして諧謔も愛した)ことが如実に出ていますね。○。
オルガン原曲はハッキリ言ってオルガンに似つかわしくない軽い曲でそのくせごちゃごちゃしていて(特に終盤は初期アイヴズらしい「音符詰め込みすぎ」)耳障り悪いのだが、管弦楽や吹奏楽にも編曲されているとおりアメリカ万歳の内容ということで人気の高いものになっている。ウィリアム・シューマンは曲を立体的に組み直しアイヴズ自身の管弦楽曲より洗練された書法でおのおのの魅力的な変奏を引き立てる(ま、大して変奏になってないのだが)。そして異なる調性の変奏同士が衝突するアイヴズらしい部分では、オルガン原曲ではわかりにくかった意匠をアイヴズ的に(つまりまんま鮮やかに二つ同時に演奏させる)解釈して表現させることに成功している。フィードラーは旋律処理はお手の物で愉悦的な音楽をリズミカルに引き立てる。終盤のごちゃごちゃはちょっと乱れるが仕方ないだろう。この時点でアイヴズが既に「逆変奏」を使っているのもよくわかる(この頃は伝統的な方法論も残り生硬ではあるが)、この曲はこの編曲が一番わかりやすいな。ちなみにこの主題はイギリス国歌として知られるが古き良きアメリカでは国歌として扱われることも多かった。アイヴズが古き良きアメリカを愛した(そして諧謔も愛した)ことが如実に出ていますね。○。