ミューア・マシソン指揮LSO(broadway他)DVD
(映画そのものです)カナダの全面協力で作られた戦時映画でヴォーン・ウィリアムズは内容とは異なる、あくまで自分の視座から立派な音楽を提供したにすぎない。映画音楽指揮で知られるマシソンの指揮は性急でやや軽く、力感の制御がデジタル。滑らかで柔らかい(しかし明確な)ヴォーン・ウィリアムズっぽい音ではなく、あくまでヴォーン・ウィリアムズの素材を映画的に即物処理したように思える。音楽主体の映画ではないし、あきらかな反ナチプロバガンダ映画なので、これはこれで良いのだ。タイトルのカナディアンロッキーかどこかの空撮にのったヴォーン・ウィリアムズの前奏曲は、序章に美しいハーモニーを加えている。農村、都会、島々、海と音楽は寄り添うように素材を加え、未だ「南極」のカラフルな音楽に至ってはいないが、即物的に職人技を発揮しており、しばしばヴォーン・ウィリアムズらしくない俊敏さもみせている。本編に入ると音楽はあまりなくなる。ナチ登場で弦楽四重奏曲第2番3楽章へ流用されたフレーズが入る。2時間あまりのあと、話がオチた途端に再び前奏曲で終わる。
(映画そのものです)カナダの全面協力で作られた戦時映画でヴォーン・ウィリアムズは内容とは異なる、あくまで自分の視座から立派な音楽を提供したにすぎない。映画音楽指揮で知られるマシソンの指揮は性急でやや軽く、力感の制御がデジタル。滑らかで柔らかい(しかし明確な)ヴォーン・ウィリアムズっぽい音ではなく、あくまでヴォーン・ウィリアムズの素材を映画的に即物処理したように思える。音楽主体の映画ではないし、あきらかな反ナチプロバガンダ映画なので、これはこれで良いのだ。タイトルのカナディアンロッキーかどこかの空撮にのったヴォーン・ウィリアムズの前奏曲は、序章に美しいハーモニーを加えている。農村、都会、島々、海と音楽は寄り添うように素材を加え、未だ「南極」のカラフルな音楽に至ってはいないが、即物的に職人技を発揮しており、しばしばヴォーン・ウィリアムズらしくない俊敏さもみせている。本編に入ると音楽はあまりなくなる。ナチ登場で弦楽四重奏曲第2番3楽章へ流用されたフレーズが入る。2時間あまりのあと、話がオチた途端に再び前奏曲で終わる。