湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

コダーイ:弦楽四重奏曲第2番

2018年11月15日 | Weblog
メロス四重奏団(DG)CD

短い曲だが面白い。素材はバルトーク同様のものを使っていても親しみやすさはまるでイギリス近代の民族楽派。響きの源流にフランスがあるのは言うまでもないが、終盤に民族を全面に出してくるまでは、野趣がバルトークのような独自路線でではなく上品で西欧化された世界に昇華される。それはネガティブな意味ではなく、着想は民族なのに、民族楽器をカルテットの構成楽器に落とし込んでいさえするのに、違和感なくカッコ良い。メロス四重奏団も適度に荒さを投入しており、野蛮さが漂白されて無くなっているわけでもないことがわかる。フィナーレ(二楽章だが)末尾の回転するような民族舞踏にきて初めてバルトークとの共通点を見出させる。最初甘くてピリリと辛い、短く楽しみたいならこの曲は良い。名曲ではないが。
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