湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

ストラヴィンスキー:サーカス・ポルカ(ピアノ独奏版)

2018年05月07日 | Weblog
フォルデス(P)(sony他)

「若い象のためのサーカス・ポルカ」つまり諧謔的な小品ということだ。これをピアノ独奏で聴くとちょっと軋み音が強く、管弦楽によるものがそのままの重々しく不格好な娯楽音楽という側面が弱まり、不協和音とはっきりしないリズムという印象に、ここではフォルデスが重い打音こそ素晴らしいが恣意的に、強弱や伸縮を加えていてかえってわかりにくくなっている。ピアノ曲としての問題点もあるのかもしれない。
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ストラヴィンスキー:小管弦楽のための組曲第2番

2018年05月07日 | Weblog
マルコ指揮デンマーク王立放送交響楽団(danacord他)

web配信音源に含まれており容易に聴くことができる。古い音だがステレオ処理がなされている。曲は兵士の物語までの簡潔で諧謔的なストラヴィンスキーがあらわれた、しかし最も聴きやすい時期の作品として、ピアノ曲からの編曲ではあるが第一番よりも頻繁に演奏される。難しいことを考えず聴くだけならすこぶる平易なのでストラヴィンスキー入門にもオススメ、行進曲やワルツ、ポルカ、ギャロップと、素直に同時期影響されたり、もしくは意図的に取り入れた要素を投影している。鋭敏な感性と娯楽的な素材の融合は、これがディアギレフとの共同作業の時期の作品であることを明確にしめしている。ニコライ・マルコは同世代のロシアの音楽家として、数は少ないが優れたストラヴィンスキーの演奏を残しているが、これもスマートなオケの力もあって過不足ない印象を与える。変な揺れも技術的瑕疵もなく、録音さえ良ければもっと聞かれても良いのにと思う。ピエルネのようなフランスの流儀からぎくしゃくしたものを仕立てるのではなく、やはりメロディとリズムのロシア的強靭さのもとに推進力を与えている。しかしロシアだけではなくストラヴィンスキーにサティ志向があることも明確にする。なかなか。
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