湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

☆ブロッホ:ピアノ五重奏曲

2018年03月22日 | アメリカ
○カゼッラ(P)プロ・アルテ四重奏団(fono teca/HMV)1933/2/8・CD

野蛮主義的な曲に対してややピアノが負け気味にも感じたが録音のせいか。ユニゾンで迫る弦に対しては負け気味にもなるだろう。フランス風の味付けがわずかに洒落気をもたらす。二楽章はユダヤ調が全面に出て土臭さがあるが、楽団の洗練に救われている。それにしても弦のユニゾンが多い。アレグロ・エネルジーコの三楽章は再び激しい音の応酬。カゼッラが不可思議な響きを加える。不可思議なのは緩徐部の妖しいやりとりでユダヤ的だ。ピアノはそれほど浮き立ってこないが弦が盛り上げる。法悦的なフレーズが頂点を形作ると若干メシアン的な趣のある静寂が支配する。

※2013-11-26 20:04:51の記事です
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フランク:交響曲

2018年03月22日 | Weblog
○アンゲルブレシュト指揮ORTF(SLS)1955/3/17シャンゼリゼlive

びっくりの音源で、演っていても不思議はないが録音が出てくるとは思わなかった。また同時期のドビュッシーなどにくらべ一楽章あたりはダイナミックでかつ、ミュンシュのような滑らかな表現でロマンティックな、国民楽派交響曲のように進めていく。ほんとにアンゲルブレシュト?というような、SP期の短い曲で聴かれた主情的な表現はクライマックスあたりでもブラスの露骨な音色に現れてくる。だが、この三楽章冒頭は均整感を重視した構築性があらわれ、やはりアンゲルブレシュトだと確信させる。清々しい透明感のある響きはあるものの、曲に忠実にロマンティックな点はダンディの交響曲を録音したときと同傾向といえば同傾向のスタイルでもある。突進するたぐいの演奏ではない、ミュンシュやパレーとは違うが、プレートルに通じる部分はあるかもしれない。期待しなければ聴けるギリギリの音質。もちろんモノラル。個人的には同曲をドロドロにしないでかつチャイコフスキーみたいにやってのけているのは好み。
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