湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

☆スメタナ:弦楽四重奏曲第1番「わが生涯より」

2017年05月02日 | 北欧・東欧
○フロンザリー四重奏団(victor/PRSC)1929/3/19,20ビクタースタジオNo.1

抑えて忠実に演奏しているのが聴いて取れる。とくに前半楽章にメトロノームテンポというか、しゃっちょこばった感じが強い。そのぶん技巧派ならでは「制約下での表現力」が味わえる。前時代的なメロメロの音、ひっきりなしのポルタメント、しかし決してフォルムが崩れない。音符の「切れ」はとても明確だ。リズムの切れのよさ、「引っ掛け」の巧みさはこの団体の長所のようである。後半楽章ではもっと自由になっているようにきこえるが、それはこちらが慣れてきただけでSP録音特有の演奏家の「緊張」はあると思う。最後の耳鳴りがリムスキーやボロディンのように聴こえ、なおかつさっさと切られて余韻も無しに、「純音楽的」に終わるのも興味深い。これもSP録音特有の時間制約か、啓蒙主義的な客観的処理かもしれない。録音はそれなり。
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