○フロンザリー四重奏団(victor/PRSC)1929/3/19,20ビクタースタジオNo.1
抑えて忠実に演奏しているのが聴いて取れる。とくに前半楽章にメトロノームテンポというか、しゃっちょこばった感じが強い。そのぶん技巧派ならでは「制約下での表現力」が味わえる。前時代的なメロメロの音、ひっきりなしのポルタメント、しかし決してフォルムが崩れない。音符の「切れ」はとても明確だ。リズムの切れのよさ、「引っ掛け」の巧みさはこの団体の長所のようである。後半楽章ではもっと自由になっているようにきこえるが、それはこちらが慣れてきただけでSP録音特有の演奏家の「緊張」はあると思う。最後の耳鳴りがリムスキーやボロディンのように聴こえ、なおかつさっさと切られて余韻も無しに、「純音楽的」に終わるのも興味深い。これもSP録音特有の時間制約か、啓蒙主義的な客観的処理かもしれない。録音はそれなり。
抑えて忠実に演奏しているのが聴いて取れる。とくに前半楽章にメトロノームテンポというか、しゃっちょこばった感じが強い。そのぶん技巧派ならでは「制約下での表現力」が味わえる。前時代的なメロメロの音、ひっきりなしのポルタメント、しかし決してフォルムが崩れない。音符の「切れ」はとても明確だ。リズムの切れのよさ、「引っ掛け」の巧みさはこの団体の長所のようである。後半楽章ではもっと自由になっているようにきこえるが、それはこちらが慣れてきただけでSP録音特有の演奏家の「緊張」はあると思う。最後の耳鳴りがリムスキーやボロディンのように聴こえ、なおかつさっさと切られて余韻も無しに、「純音楽的」に終わるのも興味深い。これもSP録音特有の時間制約か、啓蒙主義的な客観的処理かもしれない。録音はそれなり。