湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

ドヴォルザーク:チェロ協奏曲

2008年08月28日 | 北欧・東欧
○フルニエ(Vc)セル指揮ケルン放送交響楽団(medici,WDR)1962/11/16・CD

放送用録音か。演奏精度的にはライヴに聞こえるが客席反応は無い(拍手もなし)。フルニエ・セルのコンビはDGのものが有名だ。これはほとんど同時期のもので、モノラルだが綺麗にリマスタリングしてあるので細部が不明瞭なことを除けば一応楽しめる。フルニエはウンザリするほど盤があるということは既に何度も書いているが、演奏はいずれも精度と気力と録音に差がある程度で解釈にてらいもなく上品で押しが弱い。音の美麗さは2楽章あたりと3楽章の後半で非常に際立ってくる。この演奏では3楽章後半が起伏があって感動的な盛り上げがあっていい。細部にやや技術的問題が感じられるが録音上分離が明白にきこえないので本当のところはどの程度乱れたのかわからない。流れがいいので聞き流せる程度である。1楽章では重音が濁る箇所がありフルニエらしくないところもある。バックオケはセルらしく特にドイツオケだけあって縦が明確なのはいい。硬質で磨かれた音を出し音程感が厳しく非常に統制がなっている反面、ケルンはちょっと技術的に一流オケには劣るようにも感じる。弦が薄く声部間に音色的なバラケ感がある。フルニエの音量にあわせて編成を薄くしたのかもしれない。とくにこれといって押す要素はないが、フルニエファンかセルファンなら。セルが後半生もヨーロッパで活躍していたらロスバウトみたいな芸風で知られるようになっていたのかなあとふと思った。カラヤンからレガートを取ったような。○。
Fournier plays Elgar, Dvorak, Beethoven

Medici Masters

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(DGのスタジオ録音)
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調
フルニエ(ピエール)
ユニバーサル ミュージック クラシック

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プーランク:ピアノ協奏曲

2008年08月28日 | フランス
○作曲家(P)ミュンシュ指揮フランス国立放送管弦楽団(INA)1950/7/24エクス・アン・プロヴァンス音楽祭live・CD

録音が少し悪く私のCDは1楽章の末尾近くで明確な断裂があるが、媒体自体の品質の問題かもしれない。プーランクは調子がよく、さすがに専門ピアニストに比べると荒いが力強く引っ張っていく意気には欠けていない。何よりミュンシュの棒が作曲家が崩しがちなテンポをしっかり前進的に維持していて、弛緩しそうな旋律に貫かれた曲全体を引き締めている。2楽章のロマンティックな部分を重くならずに爽やかにすっと通すところなどいい。特有の世俗性をはなつ和声を伴うプーランク節を、古典からラヴェルやラフマニノフといった先行作曲家の手法を露骨に引用しながらアレンジしている作品で、けして名作ではないがプーランクの楽しい音楽が好きな向きは楽しめるだろう。終演後の拍手がかなり撚れているのだがブーイングが聞かれるのは何故なのか知らない。○。

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