○ワルター指揮ミラノRAI放送交響楽団(ANDROMEDIA)1954春live・CD
「力強いワルター」が聞けるライヴ録音。4番でこれはないだろう、という人もいようが、ここでもワルターはウィーンのころの芸風(もしくはNYでのトスカニーニの影響)をいい方向に引きずっている。アタックは厳しく、テンポはとにかく速く、そしてリズムは弾むように、ドライヴ感に満ちている。焦燥感と言ってもいい。ミラノのオケというのがまた弦楽器使いのワルターには使いやすかったのだろう、音色はやや乱雑だが内部からびしっと揃えてくる意識が強い。内声部が非常にきちっとまとまっていてブラームスの構造的特質をよく聞かせられている。2楽章がもちろんワルターの神がかった陶酔を聞くことができてよいが、1楽章からオンガクの盛り上げ方を知っているといったふうで、終演時には客席も盛り上がらざるを得ない・・・録音が凄まじく悪いので、この廉価盤全集の目玉としてはやや役不足にも感じるが、飽きないブラ4、黄昏無いブラ4、ワルターのブラ4の数少ない記録としては面白い演奏記録。○。
「力強いワルター」が聞けるライヴ録音。4番でこれはないだろう、という人もいようが、ここでもワルターはウィーンのころの芸風(もしくはNYでのトスカニーニの影響)をいい方向に引きずっている。アタックは厳しく、テンポはとにかく速く、そしてリズムは弾むように、ドライヴ感に満ちている。焦燥感と言ってもいい。ミラノのオケというのがまた弦楽器使いのワルターには使いやすかったのだろう、音色はやや乱雑だが内部からびしっと揃えてくる意識が強い。内声部が非常にきちっとまとまっていてブラームスの構造的特質をよく聞かせられている。2楽章がもちろんワルターの神がかった陶酔を聞くことができてよいが、1楽章からオンガクの盛り上げ方を知っているといったふうで、終演時には客席も盛り上がらざるを得ない・・・録音が凄まじく悪いので、この廉価盤全集の目玉としてはやや役不足にも感じるが、飽きないブラ4、黄昏無いブラ4、ワルターのブラ4の数少ない記録としては面白い演奏記録。○。