湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

ルーセル:小組曲

2006年10月03日 | フランス
チェリビダッケ指揮ミュンヒェン・フィル(WME:CD-R)1990/2/10live

重いし感興がない独特の演奏。喜遊曲なのに喜びも遊びも感じられない。客観主義の権化というか、確かにもっと(もっと!)いい音で、たぶん会場であればルーセルに秘められた響きの変化の素晴らしさに感動しこの録音の最後にきかれるようなブラヴォを叫ぶようなこともあったろうが、この粗雑な録音ではちっとも「カロリー低いなあ」以外の魅力を見出し得ない。一日違いのライヴについて以前書いた印象と同じ。下手すると同じか?WMEは全般エアチェックなだけにとどまらず音が悪いので注意。
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ドビュッシー:夜想曲

2006年10月03日 | ドビュッシー
○アンゲルブレシュト指揮ORTF(DM)1963/12/17・CD

ディスク・モンテーニュの豪華盤から今や廉価でぜんぶ手に入るようになっているアンゲルブレシュトのステレオライヴ選集の一曲。これは今聴くと割合と地味で、透明で怜悧な解釈ぶりと適度な感興のバランスで聞かせているようにも感じる。解釈は時代的には独特だったことだろう(このころはもう分析的指揮もたくさん出てきたわけだが)、まるで解剖実習のような楽曲分解・再構築の成果として聞こえる。ミュンシュのドライヴ感とはまったく対極である。しかし清清しいリリシズムにはしっかりしたポリシーが宿り、ただ綺麗なだけのデュトワにもなっていない(クリュイタンスと言わないとこがミソ)。アンセルメの薄味とも違うのは、ライヴであることと無関係ではあるまい。その解釈ぶりが余りに「ミュージシャンズ・ミュージシャン」的であるがゆえに、また録音に奥手だったことも加えて恐らく今後もイマイチ評価の上がらない人かもしれないが、小曲ばかり残してしまったことも大きな理由である。ペレアス(いちおう別録とされているINEDIT盤ライヴもある)のような大曲で緻密繊細かつ大局的な解釈ぶりの巧緻が生きてくる人だと思う。特徴を短い曲で説明すると、手を伸ばしかねる人が出てくることを逆に私は恐れる。いずれこれは、私自身朝に他のことをしながら聴くには最適といいながら、しっかり耳を揃えて聴かせていただく、躍らせていただくというにはちょっと・・・他を選ぶかも、というくらいの位置づけにある。○。ほんとは夜想曲じゃなくて「イベリア」を含む大曲「映像」ステレオライヴがあれば聴きたかった。
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マーラー:交響曲第6番

2006年10月03日 | マーラー
◎ラトル指揮BPO(BP)1981/11/14,15live・CD

ラトルの「衝撃のベルリン・デビュー」をベルリン・フィル自主制作盤として再編集したもの。ベルリン自主制作シリーズは全般、海賊盤CD-Rなどに比べれば全然聞きやすいが期待ほどではなく、環境雑音も比較的入る(モノによってはエアチェックのような趣さえあるが、ほうぼうから掻き集めてきたものをシリーズで出したようなので仕方ないだろう)。しかも私の盤だけかもしれないが4楽章24分直前より26分くらいにかけて音飛びのようなものが聞かれる。短いがプレイヤーによってはかなりプチプチといわゆる「修復不能な劣化音」に近いものが聞かれ不安を煽る。いずれ自主製作ものとはそういうものなので仕方ない。

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<後日記>交換したところ全く支障なくなりました。たんに盤が駄目だったようです。したがって聴きなおしたところかなり耐用年数の長い「うまい作り」であるという観点から◎に上げておきました。確かに性急でストレートではありますがとてもよくまとまっている。ベルリンも全幅の信頼というわけではなくバラケもなくもないがドライヴがすこぶるいい。何よりたぶんリマスターがいいのでしょう。<後日記終わり>

録音がクリアなだけあり印象が以前の海賊盤とはあきらかに違う。エッジがやわらかく丸められたことで逆にボリュームと聞きやすさが増し、雑味とも受け取れた角がとれている、いずれ「若い演奏」ではあるのだが非常に気分を高揚させられる巧さがある。本番はもっと違ったのだろう。つくづく録音状態、盤質というものが音楽の本質自体を悪いほうに歪めて伝える可能性というものにおもいはせた。怖い。

楽しんで聞くには十分の素晴らしいドライヴ感、オーソドックスかもしれないが若さゆえの先走りという部分もなく巧緻のうえに実力も感じさせる。何度聴いても楽しめます。それゆえの強烈な個性は無いが。
Comments (3)
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