2012年度作品。アメリカ映画。
60年代のフロリダを舞台に、獄中の婚約者の冤罪を証明してほしいと依頼する謎の女と出会った事で、運命を狂わせていく青年とその新聞記者の兄の姿を描くサスペンス。原作はピート・デクスターの同名小説で、謎の女を演じたニコール・キッドマンは、第70回ゴールデン・グローブ賞で助演女優賞候補に。
監督はリー・ダニエルズ。
出演はザック・エフロン、二コール・キッドマンら。
良くもないが、悪くもない。
否定するほどつまらなくはないが、肯定するほどおもしろいわけでもない。
ただ過剰で異常な人物描写や、ザック・エフロンのブリーフ姿が印象に残っている。
率直にこの作品の感想を書くなら、そういうことになる。
要は僕の趣味に合わない、評価に困る映画ってところだ。
舞台は1960年代末、暇を持て余している大学生のジャックは、あるとき殺人事件の容疑者とされる男ヒラリーの婚約者シャーロットと出会い、恋に落ちる。ジャックはヒラリーの殺人事件を取材する兄の運転手として、事件にかかわるうち、徐々に抜き差しならない事態へと巻き込まれる、ってのが筋だろうか。
このニコール・キッドマン演じる容疑者の婚約者がなかなかいかれている。
要はビッチなわけだが、監獄の面会室で、容疑者とともに互いに自慰をしたり、クラゲに刺された男のためにおしっこをかけるところなどは、はっきり言って異常だ。
こいつら頭おかしいんじゃないのか、と感じることもあった。
だがその異常さが、この映画にいびつな雰囲気を生みだしており心に残る。
そんな雰囲気に引きずられて、登場人物の影もときどき暴かれていく。
ジャックの兄の隠れた性癖や、黒人のジャーナリストの隠していた怒りなどはその典型だろうか。
そして釈放された容疑者も、予想通りとは言え、本性を現すこととなる。
そういった物語はそれなりに楽しめるのだけど、特に心に訴えるものに乏しかった。
僕の趣味もあるが、物語の表層を追っているだけのように見えて心に届かない。
俳優は頑張っているけれど、演出が悪いのかもしれない。
演技だけではどうにもならない部分はあるのかもしれないなんて思ったりする。
しかし映画としては別に退屈なわけではなく、二時間弱と時間も手ごろで、苦痛もなく見ることができる。
この映画の美点である不穏な雰囲気も、まあ悪くはない。
僕からすれば趣味には合わない作品ではある。
しかしこれはこれでありと思う人はいるのだろうな、と感じた次第だ。
評価:★★(満点は★★★★★)
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