2014年度作品。アメリカ映画。
60年代に数々のヒットを生んだ4人組グループ、ザ・フォー・シーズンズの栄光と挫折を描きトニー賞に輝く大ヒットミュージカルを、クリント・イーストウッド監督が映画化した人間ドラマ。
監督はクリント・イーストウッド。
出演はジョン・ロイド・ヤング、エリック・バーガンら。
監督がイーストウッドでなければたぶん見なかった題材の映画だ。
そもそもフォー・シーズンズを知らないし、知っている曲と言えば「Can’t Take My Eyes Off You」くらいで、それだって他のシンガーのカバーで知った程度のものだ。
その程度の知識で観賞したが、存外おもしろかったので、満足している。
歌も良かったし、物語も楽しめる。
往年のイーストウッドの名作に比べると物足りなさはあるが、それなりの作品と言ったところだろう。
床屋見習いのフランキーは、悪友たちと盗みなどをくり返す中、マフィアのボスに声を認められ、仲間と共に音楽の世界に飛び込んでいく。
そういう内容である。
良くも悪くも、シンガーの来歴をたどる形となっており、大きな驚きはない。
しかしたとえば羽目をはずして窃盗をしていた頃や、歌手として徐々に成功していく過程、そして多くのバンドがそうであるように解散の危機が訪れる場面などはそれなりにおもしろい。
物語の起伏に富んでいるのがおもしろさの要因だろう。
そしてもちろんフォー・シーズンズの楽曲もすばらしかった。
知らない曲ばかりだが、レトロな曲調はなかなかノリが良くて、物語を見ながら、じっくり聴き入ることができる。
こういう点は音楽映画の良さだ。
イーストウッドもいまや優に80を超えている。
それでもなお衰えぬ創作意欲と、それなりの作品に仕上げてしまう才能には感服するばかりだ。
これからも元気な限り、作品を作り続けてほしいし、彼のつくった映画を追い続けたい。
そう素直に思う作品だと感じた。
評価:★★★(満点は★★★★★)
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