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2014年度作品。アメリカ映画。
第64回ベルリン国際映画祭で監督賞にあたる銀熊賞に輝いた、『ビフォア・ミッドナイト』のリチャード・リンクレイター監督によるヒューマンドラマ。
監督はリチャード・リンクレイター。
出演はパトリシア・アークエット、エラー・コルトレーンら。
同じキャストを、12年の長きにわたり、撮り続けたということで話題になった作品である。
ストーリー的には、少年と家族の変遷を描いたものといったところだろう。
明確なストーリーラインというものは、正直あまり感じられない作品だった。
そのためストーリー重視派の僕としては、物足りなさを感じたのは否めない。
しかし主人公の少年の成長をリアルに追いかけることができて、臨場感に富んでおり、強い印象を残す作品にもなりえていた。
主人公のメイソン一家は基本的に母子三人の家庭である。実父は彼らとは別居中だ。
とは言え、子どもたちとリベラルな父との仲は決して悪くなく、見ていて好ましい。
母との関係も悪くはない。
だが彼女の場合、アル中の男に引っかかってしまうことが多く、結婚を幾度か失敗してしまう。その分、幾分かのトラブルを引き受けることになっている。
そういうそれなりに問題のある家庭だが、メイソンも姉もぐれることなく、ボチボチ標準的な大人に育っていると言えよう。
撮影は、一年ごとに行なったと聞くが、成長期の年齢に差し掛かると、メイソンが急に大きくなっていて、興味深い。
リアルに成長の様子が見て取れるのがおもしろい。
親と子の会話にしても、最初はいかにも子どものおしゃべりって感じだったのが、大人同士の会話という内容に変化していって、それもまた興味深く見れた。
気分的には、親戚の叔父さんの感情で、彼らの成長を眺められたって感じだ。甥も姪もいないけど。
そういった映画の雰囲気はともあれ好ましい。
この雰囲気にしっかりはまることができたら、存分に映画を楽しめるにちがいない。
とにかくも作り手のチャレンジ精神に満ちた作品である。
その姿勢だけでも一見の価値があるのではないだろうか。
評価:★★★(満点は★★★★★)
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