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社説 [洋上給油活動]見直しも選択肢のうち

2007年09月22日 | スクラップ
(2007年9月22日朝刊)



 もし自民党が参院選に勝って参議院で過半数を占めていたら、テロ対策特別措置法の延長問題はどうなっていただろうか。おそらく十分な議論もないまま四度目の延長がすんなり決まったことだろう。

 自民党の惨敗で事態は一転した。

 シーファー駐日米大使は、野党の理解を得るため「決断に必要なあらゆる情報を提供する用意がある」と述べ、野党議員に対しても機密情報を開示する考えのあることを明らかにした。自民党が選挙に勝っていたら、そんな話も出なかったに違いない。

 国連安全保障理事会はアフガニスタンに展開する国際治安支援部隊(ISAF)の任務を延長する決議案を賛成多数(ロシアは棄権)で採択した。

 この中には、アフガニスタンで米軍主導の「不朽の自由」作戦を行っている有志連合各国の貢献に対する「謝意」が盛り込まれている。

 この文言は日本などの働きかけで新たに挿入されたものだ。国連のお墨付きを得て、国内世論を動かし、民主党を説得する、ということなのだろう。

 参院選の選挙結果は、日本の政治状況をこれだけ変えたのである。

 この変化を「政治の混乱」と見る人もいるが、十分な議論もないまま強行採決を繰り返してきた政府与党の国会運営をあらため、議論を深める絶好の機会ととらえたい。

 テロ特措法は米中枢同時テロを受け、二〇〇一年十月に二年間の時限立法として成立した。これまでに三回延長を重ね、現行法は十一月一日で期限が切れる。

 防衛省によると、〇一年十二月の活動開始から八月三十日までに、十一カ国の艦艇に計七百七十七回、約二百二十億円相当の燃料を無償で提供してきた。米軍向けの給油回数が全体の半分近い。

 だが、これまで、詳しい活動内容は明らかにされてこなかった。どのような活動をしているのか国民には見えにくく、検証しようにもできないのが実態だ。

 海自から間接給油を受けた米軍空母がイラク戦争の空爆攻撃に参加したとの疑念も指摘されている。

 憲法が禁じる武力行使との一体化や集団的自衛権の行使に当たる活動実態がないのかどうか。依然として懸念が払拭されないだけに、詳細な情報開示が必要である。

 給油活動以外にアフガニスタン支援の選択肢はないのかどうか。この際、見直しも視野に幅広く議論すべきである。その場合にも当然のことながら憲法九条の存在が前提だ。




沖縄タイムス
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