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マスミンのピアノの小部屋

ピアニスト兼ピアノ指導者松尾益民が、ピアノや教育、世の中の出来事など日々感じることを、徒然なるままに綴ります。

第54回プロムナード・コンサートご来場に際してのお願い

2020-09-11 22:41:53 | ラ・プロムナード・ミュジカル
第54回プロムナード・コンサートは明後日となりました。
新型コロナ感染症蔓延後は、イベント開催につきましても様々な対応を求められるようになりましたので、ご来場に際しては、下記の点にご留意いただきますようよろしくお願いします。

ご入場の際は、マスク着用、消毒をお願いします。
マスクをお持ちでない場合は、受付にてお求めくださいますようお願いします。
また、座席は間をあけて着席いただきますようお願いします。
ご来場前に熱をお測りいただきますようお願いします。
37.5度以上ある場合や、体調不良、咳などの症状がある方は、ご来場をご遠慮下さいますよう、よろしくお願いします。
また、ご来場の方のお名前および連絡先をご記入いただくことになります。
ご連絡先情報は、万が一の場合は、保健所等の公的機関の要請により、提供させていただく場合があります。
いただいたご連絡先情報は個人情報として厳重に管理し、上記の目的以外には使用いたしません。
また、保管期間は1ヶ月とし、保管期間経過後に適切な方法により破棄させていただきます。
以上、ご理解いただきますよう、よろしくお願いします。

なお、今回の第54回プロムナード・コンサートは、「芸術文化公演再開緊急支援事業(兵庫県、姫路市、兵庫県芸術文化協会)」による開催となりました。
会場費が半額補填してもらえるので、余分にかかるコロナ対策費を捻出できるのが、助かるところです。
我々のコンサートは、入場料無料なのであまり関係はないのですが、入場料をいただくコンサートなどは、会場入場者数を半分に制限されると、当然売り上げも落ちるわけで、それなのに使用料値引きがないのはおかしいと思っていましたので、こういう制度はいいですね。
ただ、申請書類がいろいろあって面倒でした。
それでも、19日からは、クラシックコンサートは入場者数制限がなくなるようなので、ヤレヤレです。
まぁ今さらですが、クラシックコンサートは来場者が声を出すわけではないから…ということで解除されるようですね。
わかりきったことなのに…と。

第54回プロムナード・コンサートでの演奏曲について

2020-09-11 17:30:39 | ラ・プロムナード・ミュジカル
明後日の第54回プロムナード・コンサートで演奏する曲について、エリーゼのためにとラフマニノフのパガニーニ狂詩曲については記載しましたが、ほかの曲についてです。
ラヴェルの「クープランの墓」については、以前演奏した際に記載した記事をご参照ください。

クープランは、バロック時代のフランスの作曲家で、せっかくなら名前の挙がったこのクープランの曲も弾こうということで、2曲取り入れました。
ラヴェルの曲に反映されている奏法がよくわかる曲を選びました。
フランソワ・クープラン(1668-1733)は、フランスの作曲家で、クラヴサン奏者でもありオルガニストでもありました。
クラヴサンとは、イタリア語ではチェンバロ、英語ではハープシコードというのですが、まだピアノが主流になる前の鍵盤楽器です。
クラヴサン曲集を第1巻から4巻まで230曲以上作っていて、今回演奏するのも、その中から、第1巻第1組曲第13曲「ブルボン家の女(ガヴォット)」と、第3巻第18組曲第6曲「ティク-トク-ショック、またはオリーヴしぼり機 」です。
ガヴォットとは、14世紀フランスのプロヴァンス地方八署の農民の踊りが元になっていて、その後16~18世紀に、宮廷舞踏として広がり、鍵盤曲では組曲の中に取り入れられて流行って行きました。
が、その後、フランス革命後に廃れていったようです。
4/4拍子または2/2拍子で、小節の真ん中から始まるアウフタクト(弱起)の曲です。
ブルボン家の女は、繰り返しをしないと1分にもならない短いかわいらしい曲です。
ティクートクーショックは、またはオリーヴ絞り機とあるように、オリーブを絞る機械が大きな音がするのを表現しているのか?…とは思いますが、実際にオリーヴ絞り機を体験したことがないので、なんとも言えません。
けっこう大きい音がするようですから、それにしては、ちょっと賑やか…くらいの曲なので、う~ん、どうかなぁ…。
演奏法としては、元がクラヴサンで2段鍵盤だからこそできる曲になっていて、ピアノで弾くと手が重なって、右手と左手がほぼ同じ音域なので、とても弾きにくいです。
右手の音域をオクターブ挙げて弾くとか、右手側にもう一つ楽器を置いて弾くとかという方法をとることができるようです。
その方法も考えましたが、今回は楽譜通り重なる音域で挑戦しました。
そうする方が面白く聞こえるから…です。
軽やかに弾けるかがポイントです。

もう1曲、最初に弾く「無伴奏チェロ組曲第1番よりプレリュード」です。
この曲はチェロの柔らかい低音で演奏され、CMでもよくつかわれていますから、耳にされたことがあると思います。
無伴奏チェロ組曲は6曲ありますが、1717~23年ごろに作曲されたようです。
長い間忘れられていたようですが、パブロ・カザルスが再発見して演奏して以来、評価が上がり、演奏される機会が多くなったようです。
無伴奏ですから、チェロ単独の音で、当然単旋律ですから、それを単純にピアノで弾くとおもしろくないわけで、それを編曲したのがヨアヒム・ラフで、チェロの音は低音なので、当然のごとく右手に新しいメロディが付け加えられた曲となっています。
出だしの「ソレシ」と10度上がっていく音の響きが何とも言えずいいのですが、メロディをつけると原曲の良さはどうなのかなぁ…と思って、この編曲で弾くかどうかは散々迷いましたが、チェロの音を単なる伴奏にしないで、両方の音を生かした弾き方をしよう…ということに落ち着いて、この編曲で非ことにしました。
以前にも弾きましたが、その時も悩んだ覚えがあります。
その時に書いた解説は下記です。

コンサートでは、曲についてのお話はするのですが、時間に限りがあるし、つい話忘れることもあるので、参考にしていただけると幸いです。


ラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲 第18変奏について

2020-09-11 00:26:44 | 音楽
ラフマニノフ(1873~1943)の、パガニーニの主題による狂詩曲は、ピアノとオーケストラによる協奏曲風の曲です。
1934年の作で、大曲にもかかわらずわずか数週間で完成したようです。
パガニーニによる独奏ヴァイオリンのための「24のカプリース(奇想曲)」第24番の主題をもとに、24の変奏で成り立っています。
開始はイ短調ですが、第16,17変奏で変ロ短調になり、この第18変奏では、変ロ短調の平行長調である変ニ長調になります。
パガニーニの主題の「ラドシラ」というモティーフが、反行形「ラファソラ」で使われています。
聴いただけでは、どうしてここにこれが出てくるか??という感じなのですが、実は考えられている…ということなのでしょう。
この第18変奏だけが突出してラフマニノフらしい魅惑的な音楽になっているので、単独でよく演奏されます。
いろんな編曲がありますが、今回弾くのは、オーケストラの音の厚みも考慮した重厚な編曲になっています。

大学院のころ、ピアノの先生にこの曲を弾くように言われたのですが、いきなりこの難しい曲を弾くのはためらわれ、結局、別の候補としてあげてもらっていた、モーツァルトの23番の協奏曲を弾くことにした…という思い出の曲。
特にこの第18変奏は、いつか弾こうと思っていたので、今回弾くことにして、楽しく練習しています。