らぷんつぇる**

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「石田徹也 -僕たちの自画像-展

2008年12月07日 22時31分36秒 | Exhibitions
昨日は、初めて練馬区立美術館に行って来ました。
西武池袋線の中村橋が最寄り駅。
練馬とか板橋って、商店街がわりと元気ある気がする。
純然たる住宅街だからかなぁ。

さて、今回の展示は石田徹也の-僕たちの自画像-展、です。
石田徹也は以前NHKの新日曜美術館で取り上げられていて、それで知ったのですが、そのあとヴィレッジヴァンガードでも作品集が売られているのを見かけて、じわじわ知名度が上がっている画家さんです。
残念ながら2005年に若くして亡くなってしまったのですが…。

彼の描く絵はかなーり病んでいるような雰囲気です。
発想はすごく面白いけど、くすっと笑えるというよりかは、あぁ…ってな感じです。
エネルギーを吸われます。
見てて気分の良い絵ではないのに、引きつけられてしまうんだよねぇ。
人が洗面台と一体化していて、そこに三葉虫みたいなのがつかっていたり(「体液」)、鉄道模型と人が一体化していたり(「捜索」)、とにかく人が人でなくなりつつあるようなものが多い。
しかも、みんな無表情。
そして、みんな同じ顔。なんとなく石田徹也に似てる。
世の中の「型にはめる」風潮を批判するように見えるものが多いです。
これから社会に出る自分にとっては結構どよ~んな気持にさせられてしまうような。
先に就職した人々の疲れた表情を見たり、ぐちを聞いたりした後でこんな絵を見ると内定ブルーに拍車がかかりますね。
モラトリアムも秒読みなわけだし。
外国人が彼の絵見たら「日本やべっ」って思うかも。はは。
「カローシ」は世界共通語ですからね!!

意外と大きな作品が多くて、細かいところじっくり見られたのがよかったです。
参考書とか、マークシートとか、すっごいリアル。
美術館もこじんまりとしていて、上野みたいに人がうんざりするくらいいるような感じではないので、落ち着いた雰囲気だったし。

今回気になった絵は、タイトル忘れてしまったけど、消防士と子供2人がはしご車のゴンドラらしきところから見ている人の方に向かって手を差し伸べている絵。
たぶん、見ている人が救助される人っていう位置づけになるんだろうけど、このゴンドラが宙に浮いていて不安定に見える上に、助けてくれるはずの消防士の不安そうな顔!そして、内股!
救助がきて安心なはずのシーンなのに、余計不安をかき立てられる絵でした…。

企画展の図録も売られていたのですが、好評らしく売り切れでした。
12月中頃にまた販売するそうなので、欲しい人は要チェックです。
人気なんだなー!

*information*
会期;2008年11月9日(日)~12月28日(日)
会場:練馬区立美術館
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日:月曜日(12月24日は開館、翌日休館)
観覧料:一般 500円、高・大学生&65~74歳 300円 中学生以下&75歳以上 無料
HP:練馬区立美術館・展覧会ごあんない 石田徹也展