らぷんつぇる**

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『天地明察』

2011年08月07日 23時17分08秒 | Books
話題になった本です。
あまり前知識なしに読んだけど、これが結構面白かった!

*あらすじ*
「お主、本日が実は明後日である、と聞いて、どう思う?」

碁打ち衆の名家のひとつ安井家に生まれた渋川春海(安井算哲)は、既存の棋譜どおりに打つ「御城碁」に退屈する一方で、算術の面白さにとりつかれ、そのとりこになっていた。
ある日「算術奉納」(算術の問題が書かれた絵馬)を見るために訪れた金王八幡宮で、奉納された問題を速攻で解く人物の存在を知る。
その”一瞥即解の士”の名は「関」。
算術の問題を出し、関に解いてもらいたい…という望みを抱いた春海。
そんな折り、老中の酒井忠清から「退屈ではない勝負が望みか」と問われ、北極星の観測(測地法のひとつ)への出立を命じられる。
出立前に念願の関への出題を成し遂げた春海であったが、思いもよらなかった展開により心に立ち直れないほどの打撃を受ける。
傷心の春海の心を大きく動かしたのは、北極星の観測の責任者たる右筆の建部昌明と医師の伊藤重孝であった。
二人が春海に身をもって教えたのは、高齢であっても壮大な夢を抱き続けること。
そして、現行の暦(宣明歴)では2日ほども実際の暦からずれてしまっているという大問題であった。
暦がずれれば、農耕はもちろん、朝廷や幕府で行われる行事へも影響が出てしまう-
より精密な暦である授時暦を新たなる暦とするため、会津の保科正之の命を受けた春海。
まさに改暦の機運が高まったそのとき、またしても思ってもみない事件が起きる…。


いやー、起こりますね事件が。
主人公の存在意義ともいえるものを根本から揺るがすような事件が2回も(笑)
そんなわけで、話の内容は時代ものだし天文学やら数学やら学問的には難解な内容を含んでいるのに、ぐいぐい読めるんです。
しかも主人公はほとんど名前しられてないのに、脇役が半端ない。
まず、一瞥即解の「関」とは和算の創始者である関孝和。
春海の強力なバックアップとして水戸の光圀公も出てくるし。
(作中に出てくる光圀公の逸話もなかなか衝撃だった…。)
出てくる人それぞれがいろんな意味で「スゴイ」んですよね。
そして、春海のキャラクターも素敵です。
好きなことにのめり込むとまわりが見えない感じ、いろんなことに精通していて切れ者なのに、それでいてあどけない感じ。
もうこんな人実際にいたら恋に落ちちゃいますよ。

V6の岡田くん主演で来年秋に映画化されるみたいです。
それもまた、楽しみ。
なかなか配役も絶妙な気がする。

にしてもこの作家さん、これが初の時代小説か…すごすぎ。

*データ*
著者:冲方丁(うぶかた とう)
出版社:角川書店
定価:1800円(税別、ハードカバー)
ISBN: 978-4-04-874013-5

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