らぷんつぇる**

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『ロング・グッドバイ』

2008年02月03日 13時55分34秒 | Books
読み終わりました。
レイモンド・チャンドラー著、村上春樹訳の『ロング・グッドバイ』。
ハードボイルドの名著だそう。
かなり前に『長いお別れ』という邦題で訳されているのですが、すでに翻訳から半世紀もたっており使われている言葉も古くなってきている、ということで早川書房から村上氏に翻訳の打診があったんだとか。
村上さんにとってもかなりの思い入れのある作品のようで、それはあとがきにみっちり書かれています。
図書館で借りて、分厚さにびっくりしました。

*あらすじ*
私立探偵のフィリップ・マーロウはあるきっかけからテリー・レノックスなる男と知り合いになり、親しくなる。
テリーは有名な億万長者ハーラン・ポッターの娘であるシルヴィアの元夫であったが、マーロウが次に彼と会った時にはシルヴィアと二度目の結婚をし、贅沢な暮らしをしていた。
ところがシルヴィアが殺害され、容疑をかけられ国外逃亡したテリーも自殺してしまう。
テリーの逃亡を助けたとして留置場に入れられたマーロウはシルヴィアを殺したのは別の人間ではないかと考えるが、様々な方面から調査を打ち切るよう圧力がかかる。
そんな折、ベストセラー作家ロジャー・ウェイドの妻、アイリーンから行方不明の夫を探して欲しいと依頼がくる。
ロジャーやアイリーン、そしてシルヴィアの姉リンダ、その夫のローリング医師などと関わっているうちに、マーロウはこの依頼もまたシルヴィアとテリーの事件に無関係でないことに気づくのだが…。


うーん…ハードボイルドって今まではそんなに違和感なく読んでいたんだけど。
これだけ名著と言われていながら私にとってはさっぱり面白くなかったです。
まず、マーロウが好きになれない。
どこがかっこいいの???と思ってしまう。
警官にもやくざにもハウスボーイにもやたら暴力ふるうし、依頼人の人妻にいきなりキスするし、それが毎回毎回唐突すぎてついていけない。。。
そして、出てくる女性の雰囲気が誰も彼も似たように思えてしまう。
(生まれつきのセレブばっかりでてくる)
他の人たちにしてもなぜここでその発言?なぜその行動?ってのがあまりにも多い。
ともかく感情移入できないのですよ…。

男性だったらもっとマーロウにぐっとくるのかなあ。
自分の読解能力が足りないだけかもしれないけど、あと基本眠い時間帯に読んでいたからかもしれないけど、なんかもうテリーもロジャーもどうでもいいじゃんと思えてしまった。
ちょっと前に読んだ本にこの本の最後らへんのセリフが引用されていて(ほんとにたまたまです)、それでなんとなくラストの予想がついてしまったってのもしらけてしまった原因かも。

あまり関係ないけれど、ビーカープリンが有名なお店マーロウはやっぱりこの主人公から名前をとったみたいですね。
マークのハードボイルドなおじさんからしていかにも、って感じですが。

*データ*
著者:レイモンド・チャンドラー
訳者:村上春樹
出版社:早川書房
定価:1905円+税(ハードカバー)