徳島のお盆と言えば、阿波踊り。移住後5年になりますが、この祭りは何度見ても本当にすごいと思います。昨年までは、桟敷を予約して鑑賞していましたが、今年はあまりの暑さに外出をする気が起きず、もっぱらTVで鑑賞させていただいています。徳島のケーブルビジョンでは踊りの様子をライブで放映しているのです。
阿波踊りのルーツについては諸説があり、蜂須賀のお殿様が徳島に築城した時に、当時みやこで流行の「風流踊り」をしたのではないかとか、盆に死者を弔う踊りだったとか、様々です。ただ、戦前は今日行なわれている軽快な踊りではなく、もっとゆったりしたリズムで動きもゆっくりだったそうです。いずれにしてもあの手の動きは波の表現でしょう。女性のかぶっている笠も、大勢でそろって踊っていると波がしらのように見えます。これは沖縄のカチャーシーの手踊りとかなり近いと思います。韓国にはサムルノリという楽器演奏や農楽という演奏・踊り付きの豊作祈願の芸能がありますが、楽器はこれと共通する部分があります。最初、徳島に来たころは、吉野川で阿波踊りの鳴り物の練習をしているのを、サムルノリの練習をしているのかと勘違いするほど、リズムも似ています。
阿波の沿岸地域には古来から海人族が住んでいました。彼らは沖縄・韓国南部沿岸を含めた日本全国の沿岸地域にネットワークを組んでおり、彼らの祭りが原型になって、それが近世に形式を整えて、為政者が民衆の反乱を防止するために、祭りによるエネルギー発散として組織化されたものではないかと思います。
「海幸彦・山幸彦」の神話にあるように、日本の文化は海人と山人の文化の合体によって出発したものなのでしょう。この話では兄弟の争いの後に、山幸彦が海幸彦の文化を吸収していくように書かれています。
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