ぱたぱた仙鳩ブログ

徳島から書道文化を発信します。

ハングル能力検定2017

2017年06月04日 | 日記

6月4日(日)、昨年に引き続き、四国大学で標記の検定を実施しました。今年は、午前中に5級、午後に4級を実施。合計11名の方が受験しました。監督は、ネイティブの李柔那(イ・ユナ)先生にお願いしています。今年は、検定対策講座も10時間ほどしていただきました。

韓国語との付き合いも27年ほどになったでしょうか。今は、大学の授業を一つ持たせていただいています。

現在の日韓関係は、必ずしも良好とはいえませんが、日本には相変わらず韓国語に強い関心を抱く学生も多く、彼らの熱意に応えて学問の機会を提供することも自分の仕事だと思っています。検定は、若者の語学の実力を進歩させるきっかけとして、思った以上に効果があります。10名以上の受験者がいると大学で準会場として受験場を設けられることを知り、昨年からこの検定に取り組んでいます。

かつて大学院で「白陽天」(ぺク・ヤンチョン)氏という韓国人の親友ができ、韓国文化を知ったことで、自分の視野は想像以上に大きく広がりました。韓国を深く知ることは、実は日本のこと、そして自分自身の根源的な部分を知ることになったのが意外でした。研究テーマとしての朝鮮書道史は、自分がするべきライフワークの一つだと今も考えています。

しかし数年前に彼が突然、病気でこの世を去ってしまい、韓流ブームの終焉と共に今はヘイトスピーチや領土問題・慰安婦問題などの報道が増えて、本当に悲しくなります。個人同士では心から親しくなれる、兄弟のような隣人なのに、なぜ国家同士になると、うまくいかないのだろうかと不思議に思います。

一見、関係の悪化したように見える現代ですが、実は今も年間500万人以上の韓国人が日本に観光で訪れます。インバウンドでは中国に次ぐ人数です。せめて文化面での交流は、途絶えさせずにおきたいと思います。政治的な状況が変われば、また、良い付き合いができる時代が来るでしょう。秀吉の朝鮮出兵で壊れた日朝関係は、江戸時代の刷還使、それに続く朝鮮通信使によって、親しい文化交流が250年以上続いたのです。後藤芝山や柴野栗山、那波魯堂、菅茶山などが、朝鮮半島の儒学者と文化交流をしたことが、朱子学を盛んにし尊王主義を進め、最終的に明治維新につながることになりました。

視野の広い若者が育つことが、将来の日本を救うことになると考えています。